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事業承継が失敗する理由

Matt Pais

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アドバイザーが陥る罠とそれを避ける方法
agefotostock/Ikon Image

Elaine Milne, Dip PFSは承継計画に関して恵まれていました。親会社は第一線の引退を検討しているアドバイザーを紹介してくれるだけでなく、ファイナンシャル・アドバイザーのためのトレーニング・プログラムを提供していて、後継者を見つけるのにうってつけでした。2018年初頭にMilneはその恩恵にあずかりました。

しかし後継者は仕事を始めた3ヶ月後に辞めてしまいました。端的に言えば、彼にはクライアントを獲得してサービスを提供する能力に欠けていました。

「彼は立派なファイナンシャル・アドバイザーへと成長する信頼できる人物だと思っていましたが、実際には頼んだことを何もしてくれませんでした。その当時私には余命いくばくもないクライアントがいました。その方が安らかな気持ちで旅立てるよう、実務面でも精神面でも非常に努力する必要がありました。死に瀕している顧客に対応できるような信頼できるアドバイザーを見つけることはとても難しいと思います」スコットランドで活躍する10年間MDRT会員のMilneは語りました。

アドバイザーはいずれ承継計画を立てなければなりませんが、それが困難だったり失敗したりするのには多くの理由があります。原因は正しい評価を行わなかった、事前に十分に計画しなかったなどとは少し違います。

原因は詳細にある

Steve Caldara, CLU, ChFCの場合、後継者は少なくとも最初の頃は仕事をきちんとこなしていました。しかし彼は承継の細かい部分で互いに受け入れられない点があることを学びました。

コロラド州デンバーで活躍する12年間MDRT会員のCaldaraは、家業の損害保険代理店を引き継いだエージェントと数年間の付き合いがありました。その人はファイナンシャル・サービス業に本格的に参入することを決意し、手を組むのにCaldaraはぴったりの相手でした。2人は約1年かけてCaldaraの事業を引き継ぐ計画を立てました。

しかし彼らは仕事のスケジュールと財務に関して、しっかりとした同意に至っていませんでした。

「詳細は時間をかけて考えていこう、と言い続けた私の落ち度です。後になって承継に自分とスタッフが費やす時間やオフィスにかかる費用がかなり高額になることを説明して、一年目は取引額の25%をもらう必要があると伝えました。それでも私は損をするので、翌年度以降にその分の埋め合わせをするつもりでした。また多くの顧客へのフォローアップ・サービスをその人に引き受けてもらおうと考えていました」とCaldaraは言います。

この経済的な配分に後継者は驚き、その反応を見てCaldaraも驚きました。

Caldaraはまた後継者に週に60時間(管理、計画、教育の時間を含む)をかけ、最初の2年間で約2万ドルを費やして専門知識や能力開発に取り組むべきだと伝えました。しかし、後継者にとってはこれも想定外でした。

「彼は既に何年も保険ビジネスを行ってきたので、こうした段取りを当然知っていると思っていました。引き継いだ損害保険代理店を整理し、私がビジネスを始めたときに費やしたのと同じくらいの時間を今回の移行のために割くのは当然と私は思っていました。その思い込みは両方とも外れました」

相手に期待していることを率直に話しておくべきだったとCaldaraは語ります。「責任は私にあります。クライアントに対するファクト・ファインディングと同じくらい事実をつかんでおくべきでした」後継者に予定していた人とは今でも友人として付き合っています。

しかし、細かいところまで決めてしまうと失敗に繋がることもあります。John R. Benton Jr., CLTCはあるアドバイザーがスキー事故で亡くなったとき、その方の奥さまに最低でも以前の2倍の収入を保障すると自分の戦略に自信を持って言いました。

しかし亡くなったアドバイザーは承継計画を何も行っていませんでした。Benton(ニュージャージー州ウォーレンで活躍する14年間MDRT会員)には事業買収の経験がなく、ビジネス譲渡の際クライアントを納得させることができず顧客は離れていきました。

「一年もしないうちに多くのビジネスを失い最低限度の収入しか得られませんでした。彼女は既存の顧客から2倍の収入を得ましたが、私は1.25倍にしかなりませんでした」とBentonは言います。実際金融資産総合口座を58%も失ったため、事業買収にかかった2年間で売り上げは予想より18万ドル少なくなりました。

「私たちは業績の悪化に気付き、サービスを見直すため顧客全てに連絡を取りました。連絡が取れるまで電話、Eメール、手紙を用い、クライアント全員に再検討していただきました」

その結果収入は3倍になり、Bentonは貴重な教訓を得ました。最低限度を決めてしまうと、収支に大きな問題が生じる可能性があることです。

一部だけうまくいっても成功ではない

亡くなったアドバイザーが自分の顧客を仲間のアドバイザーに紹介しなかったために生じたBentonの経験はよくあることだと、承継計画で50社100人以上の幹部を助けてきたJeri Turleyは言います。クライアントと培った人間関係を引き継がないこと(Bentonのケース)、共同経営者の買収資金支援計画を持たないこと(Caldaraのケース)は承継計画が失敗する二大原因だと彼女は見ています。このうち一方の問題をクリアしても、もう一方の問題が全ての努力を無にしてしまう可能性があります。

「ある代理店は引退するパートナーへの退職金に関しては良い計画を有していましたが、今後収入が継続的に確実に入ってくるプランはありませんでした。会社は退職する人にお金を払いますが、人間関係の引き継ぎをせず顧客を失ってしまうなら元も子もありません」とTurleyは言います。

加えて、アドバイザーは関係者全員が共通認識を持っているかを確認するべきです。Danielle J. Genier, CLU, CFP(カナダのオンタリオ州で活躍する19年MDRT会員)は苦い経験を通してこのことを学びました。彼女は自分の後継者としてRyanというアドバイザーを新しく雇うことにしました。事業承継の条件を含めRyanへの引き継ぎは順調に進みました。

しかし顧問弁護士がこの取り決めを独自の視点で解釈し、法的な契約書を書いたとき問題が生じました。

「いくつかの条項に、この契約から私もRyanも手を引くことができると書いてありました。私は『それは違います。誰も手を引くことはできません。既に決まったことですから』と主張しました。今から思えば最初から私たちのビジネスのやり方をこの弁護士に詳しく説明しておくべきでした」とGenierは反省しています。

結局Ryanは別の弁護士を雇い、Genierは時間をかけて評価額や業績について自身の弁護士に説明しなければなりませんでした。また契約書を何回も書き直してもらったので余分に2200ドルを払うことになりました。

後継者に助言する

またGenierは、たとえふさわしい後継者が見つかっても、うまくいかないことがあることを知りました。彼女は週に一度一番重要な目標についてスタッフと話し合う仕事を、後継者に任せることにしました。しばらくするとスタッフが目標を達成するために十分な時間を使っていないことが分かりました。スタッフに言わせるとこれまではGenierが指導していたので努力することができたとのことでした。

「最初はこの仕事を任せたRyanに腹が立ちました。幸い彼は休暇中で私はいろいろと考えることができ、これはRyanのせいではなく私の責任であることに気付きました。私はきちんとした指導をしておらず、彼がこの新しい仕事にどう対処しているか注意を怠っていました」

Genierは役割の一部を元に戻してスタッフには自ら助言するようにし、またRyanがもっと仕事をしやすくなるように援助しています。

ささいな事柄に注意を払わなかったため多くの事業承継がうまくいかない現実に気付くべきです。カナダのバンクーバーで活躍する36年間MDRT会員のKarl John Krokosinskiは100件以上の承継計画を扱ってきたので、この件にとても詳しいです。

数字で見る

KMPGが46ヶ国2300人以上の経営陣(そのうちの24%はファイナンシャル・サービス業)を対象にした2017年の調査では、わずか14%が計画的な見直しを含む正式の承継計画を有していました。対象者の3分の1は承継計画について話し合ったこともありませんでした。

配偶者がお互いを嫌っているためアドバイザーと後継者の関係がギクシャクしてしまうのを見ました。場違いな服装をした若いアドバイザーがクライアントに場違いな言葉を発したため、クライアントとの関係に傷がついただけでなくこの若者は事業を継ぐのにふさわしくないことが露呈しました。(「あの人が後継者ならもう頼まない」と言われてしまいました)またベテランのアドバイザーが顧客にいいところを見せようとして若いアドバイザーの失敗を指摘し、分かってもらうどころか逆に自分のエゴをさらけ出してしまった例を見たこともありました。

「ベテランのアドバイザーは質問の仕方を間違っていました。ただ自分を売り込もうとしていました。引退する方たちのやり方は若い世代とは違いますが、若者のやり方を好む顧客もいるのです」とKrokosinskiは述べました。

長期で考え短期で行動

今に焦点を当てながら、先を見ることも忘れてはいけません。Bentonは自身の娘たちを後継者にしました。(このおかげで獲得中の別の事業の売り主はBentonを信頼できる買い手と見なしてくれました)娘たち自身の承継計画についてはまだ話し合っていませんが、娘たちと年齢が近い幹部候補生を雇うことに取り組んでいます。

「娘たちと成長できるようチームを再編しました」とBentonは述べました。

承継計画(Succession planning)は結局ビジネスを今成功(success)させるために行うので、どんな小さなことでも今すぐ始めるべきでしょう。

承継計画を実行する上で有効な8つの質問

ビジネスを去るにしても、引き継ぐにしてもKrokosinskiは次のように自問するよう勧めます。

  1. 自分また引き継ぐ会社のアドバイザーがクライアントに最後に会ったのはいつか? 「10年前なら良い結果を得るのは難しい」とKrokosinskiは言います。
  2. 債務は継承するのか、それとも資産を縮小して完済したのか?これは買い手心理に影響を与えます。
  3. 世代を超えてサービスを提供してきたか?もしビジネスの相手が父親だけで息子や祖父には会ったこともないなら、引き継ぎ後に家族の担当エージェントとしてビジネスの継続は難しいでしょう。
  4. 顧客ファイルにはどんな情報が記載されているか?さまざまな情報に加え、配偶者や子どもの名前、誕生日その他記念日や写真なども入れるべきです。また一年以内の最新の顧客ニーズ分析はありますか?
  5. 前任のアドバイザーは提供したサービス、提供しなかったサービスをクライアントにきちんと説明したか?まだ提供できるサービスがあるかもしれません。
  6. 前任者と顧客が交わした同意書はそろっているか?遺言書、委任状、売買契約書などの書類は、当事者が病気になったり、亡くなったりした場合どう対応するのかなどの事項を自身のクライアントと同じ様に明記しておくようKrokosinskiは言います。
  7. 事業を実際に売却して問題ないのか?売却先がふさわしいか保険会社が意見する場合があります。
  8. その会社からどのようなイメージを想起するか?Krokosinskiは自分の名前を会社名にしないよう助言します。ただし、名字の付いた会社を継ぐことになったら、社名と経営陣が変わることをクライアントに知っていただく良い機会と見なしてください。新しいスタッフを顧客に紹介するイベントを開催することもできます。

誰にどのように?

後継者と承継にかかる支払い方法を考える際にTurleyが勧める検討すべき点とは:

後継者に選んだ人はそれを本当に望んでいるのか?「経営者の多くは信頼できる優秀な社員か家族を後継者に選びます。しかし時間の経過とともに後継者はビジネスを継ぐ気がないことが分かり、期待するだけ無駄だったことが明らかになります」

その気があるならいつから計画し始めるのか?「一人の人間がビジネスを100%所有している場合、後継者と買収の手続きを何も進めず、引退する間際に急に買収させようとするのは無理があります」

個人株主からではなく会社名義で買い取れるか?「私は数百万ドルもの資金を出すことはできませんが、会社名義で銀行から資金を借りることはできるかもしれません。個人株主には買収資金を一括で支払ったことになり、続く5年間で収入から個人株主に返すはずだった負債を銀行に全額返済することができます」

CONTACT

John R. Benton Jr. at john.benton@prudential.com.

Steve Caldara at steve@caldaracompany.com.

Danielle J. Genier at danielle.genier@londonlife.com.

Karl John Krokosinski at karl@customplanfinancial.com.

Elaine Milne at elainemdrt@elainemilne.com.

Jeri Turley at jturley@bcgco.com.

 

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