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MDRT会員は個性的でかつ人間力の高い人が集まっています。皆、主体性を持って、多くの書籍や多くのセミナーから学び実践しています。しかしながら必ずしも想像していたような成果が上がることはそう多くないように思われます。
果たして今取り組んでいることが、本当に自分が心からワクワクしながら求めている物なのでしょうか?自分自身を知ること、理解するところからのスタートです。そのために先ずは、セルフカウンセリングを行うことが大切です。
- 私は何を求めているのか?
私にとっていちばん大切なものは何か
私が本当に求めているものは何か?- 自身の願望を明確化する
- その為に「今」何をしているのか?
- 時間とお金の使い方をチェックする
(時間=お金=命)でもある
- 時間とお金の使い方をチェックする
- その行動は私の求めているものを手に入れる為に効果的かどうか?
- 主観を絶対視せず、客観的な視点で自分の行動を評価する
- もっと良い方法はないかを考える。あればそれを実行する。
- 改善計画と実践
自分の取り組んでいることが心からワクワクするのかどうか?
これは意外に目標から上の時は、目標を設定し具体的計画を立てて、日々の実践を行う。ただこれであれば持続性は少ない。また目的から来るものであれば、自分の人生理念に基づいて考え行動をしている為、自分が今の職業を通してどの様になっていくのかのビジョンをもち続け、その理念を生き続ける過程の中に目標を設定しているに過ぎない為、モチベーションと言ったように浮き沈みも起きないものである。
アメリカの精神科医の(故)ウイリアム・グラッサー博士の提唱している選択理論心理学ではこのように述べられています。
人間には生まれもって遺伝子レベルから来る人間の基本的欲求が5つあります。
生存の欲求
- 飲食や睡眠、生殖などの身体的な欲求。主なものに、安全・安定、健康の2要素
例えば、お腹が空いたから何かを食べる、眠たいから寝るなどの欲求
愛・所属の欲求
- 誰かと一緒にいたいといった満足な人間関係を求める欲求。主なものに、愛・所属の2種類。
例えば、人間誰しもが愛し愛されたい、また組織などに属したいという欲求
力の欲求
- 認められたい、勝ちたいといった欲求。主なものに、貢献・承認・達成・競争の4要素。
例えば、仕事において卓越したい、人に認められたいといった欲求
自由の欲求
- 自分のやりたいようにしたいという欲求。主なものに解放・変化・自分らしさの3要素。
例えば、経済的にも時間的にも制限を受けたくないと言った様な欲求
楽しみの欲求
- 新たな知識を得たいという欲求。主なものにユーモア・好奇心・学習と成長・自分らしさの4要素
例えば、趣味娯楽を楽しむ。また時としては人によっては学ぶことも楽しみとも言えるものである。この様な欲求も楽しみの欲求とも言える。
人間はこの5つの基本的欲求を満たそうとして、判断→選択→決断をしている。
人によって5つの基本的欲求は強い弱いがあり、決して比較するものではなく、自身の欲求は常に変化し、願望のイメージ写真も貼り替わっていくものでもあり、この様なイメージ写真が何枚も何千枚も常に自身の頭の中にある。自身の求めているイメージ写真が願望であり、それが本当に求めているものであれば心からワクワクする。これが今現在の自分がどこに向かいたいのかを本質的に、中期的そして長期的に知ることにつながる。
この5つの基本的欲求を理解した上で、先ほど話をしたセルフカウンセリングをすることが大切です。またセルフカウンセリングの中にある、私が求めているものは?の「私」を「お客様」に当てはめてみたり、自分の大切なパートナーに置き換えるだけでその人が求めているものが見えてきます。そうすることによって、人それぞれ価値観の違う人に対して自身の価値観を押し付けても何も生まれず、No Need, No Presentationという言葉の通り、コミュニケーションが取れていないと信頼関係が出来ていない状態になっているということである。
その際には先ずは相手を理解することが大切であり。相手の基本的欲求は、どこが強いのか、そこを理解せずに自身の価値観を押し付けても成果を創り出すことはできません。相手と良好な人間関係の構築には人間関係構築の原則を理解し意識する事が必要です。
- 傾聴する
- 支援する
- 励ます
- 尊敬する
- 信頼する
- 受容する、そして
- 意見の食い違いについて常に交渉する。
しかし人間はほとんどの人が無意識で生活をしている。無意識なうちに人間関係破壊の原則でもある。
①批判する②責める③文句を言う④ガミガミ言う⑤脅す⑥罰する⑦自分の思い通りにしようとして褒美で釣る
この7つをいつの間にか無意識に使用していることが見うけられます。ここまでの話がいわゆる人間関係の構築でもあるコミュニケーションの話です。
では、ここから自分の求めているものが明確になったことを前提に、私たちは3つの領域である
①WANTS(したいこと)②CAN(できること)③MUST(しなければならないこと)
この3つの領域で、どこを選択しているのか?
本来の優先順位からすると、必要性がある「MUST」→「CAN」→「WANT」なはずなのに、実際は「WANT」→「CAN」→「MUST」という選択をして行動を選択されていらっしゃる方々が多いのではないでしょうか?
目的を明確にすることで、「しなければならない」ところから取り組み、それが「出来るよう」になり、そしてそれが「出来ること」から「したいこと」に変わっていく過程に、3つの領域の拡張となり成長につながります。では「時は金なり」という言葉がありますが、時間=お金=命という事でもある。そうすると、タイムマネジメント(時間管理)も大切となります。実際に皆様は時間管理の中で、何を軸に判断選択されますか。
ここでは重要性と緊急性の関係性が鍵となると思います。誰の為に、何の為にから来る「目的と優先順位」が判断軸となっているのでしょうか。
タイムマネジメントに於いては
第一象限の緊急かつ重要なこと
第二象限の緊急ではないが重要なこと
第三象限の重要ではないが緊急なこと
第四象限の緊急でも重要でもないこと
以上4つの枠に分けて考えることが大切です。
ご自身の仕事に於いてのこの四つに具合的にどの様にセグメント化されるのか?それを理解した上で、一般的には第一象限から第三象限に流されてしまう方が多く、そして第四象限へ・・・これはL字型行動とも言います。要因としては、第二象限をきちんと理解して落とし込んでいないことから意識することを忘れ、無意識に行動をとってしまう。これが事後対応となる出来ことが増えてしまう事でもあり、時間に追われ振り回されてなんか忙しいがなかなか成果が出てこない方の典型的パターンでもあります。
ではこれを解決するためにはどの様にすべきなのか?先ずはご自身に於いての第二象限は何なのかをきちんと理解し落とし込み、意識して行動することです。
例えば私の例で行くと、『見込客の発見、能力開発の時間、知識を高める為の時間、人間力を高める為の学び、家族との時間』などがあげられます。
この第二象限をもう少し深堀していくと、実は皆様も良く耳にする3つの分野に繋がっていることがお分かりになると思います。
それは、①ナレッジ(知識)②スキル(技術)③マインド(思考)です。この3つはとても重要な因果関係になっており、どれ一つとして欠けてはならないものです。知識・技術が優れていても、考え方がひねくれていたり否定的だったり、考え方も素晴らしく技術もある、しかし知識が乏しい。知識も素晴らしく考え方も肯定的なのだが、人に伝える技術が乏しい。上記3つのどれもが、残念ながら少し足りていないところです。
結果的に何が言いたいかと言いますと、知識・技術・思考の3つのバランス、そしてその領域の拡張することがいかに大切かという事です。3つの中でも、私個人としては考え方が一番大切であると考えます。
考え方が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人生が変わる。この様な言葉があります。考え方=捉え方=解釈力となるのではないでしょうか。
人の人生における方程式として
その人の人生=先天的特質×環境×本人の選択
と言えるのではないでしょうか?
先天的特質とは、その人が持って生まれた強み弱み
環境とは、誰と付き合うか、どの様な環境に身を置くか
本人の選択とは、何を軸に考え捉えどの様に選択するか
では、解釈力を高める為に日々どの様なことを意識してご自身の成長の為、またお客さまへの貢献する器の拡張の為に取り組んでいらっしゃいますでしょうか?
人間の成長の方程式
マーケット×技術×行動量
マーケットを上げたい→そのマーケットに見合う自分になれているのか?信頼に値するなど人としてどうなのか?
技術→知識専門職として信頼に値するほどの努力をしているのか?
行動量→自分との約束で決めたことはやり続けているのだろうか?
京セラの創業者、稲森和夫氏は
人生・仕事の結果=能力×熱意×考え方
と述べています。これを見ても、相通ずるものがあると思います。
どの様な考え方でも使命感という熱意もって、他人を喜ばす為に自身の持っている能力を最大限に発揮すると、ご自身の人生そして仕事の結果は必ず明るいものとなっているでしょう。ではご自身の器の拡張を成長とするのであれば、継続的に学び続ける必要があると思うのです。しかし多くの人は途中で学びを止めてしまう傾向があるといえるのです。
それはどのような原理かと言いますと、「知る→分かる→行う→出来る→分かち合う」。この5つのステップで説明すると「知る→分かる」、これは知識に当たる部分で知識を理解する段階である。「行う→出来る」、これは技術に当たる部分で実践して習得する段階です。そして「分かち合う」、これは人格に当たる部分で貢献の領域です。
大きく分けると3つの「知識」→「技術」→「人格」となります。この知識と技術の間に壁があり、これを習慣の壁といいます。これはなかなか無意識に習慣化できるまでには時間と根気がいるものです、なぜなら人間は完璧ではないからです。意識するという事はまだ出来ていないことであり、それが意識しなくても自然に出来る様になることこれが無意識に習慣化された結果となります。
良く原理原則とは言いますが、一般的に人は自分の知覚で物事をとらえて考えて行動をされます。しかし上手くいっている人には上手くいっている理由が有り、上手く行かない人には上手く行かない理由が有ると思います。ですから主観にとらわれることなく、原則(実存している)の周りを自分自身が回るという事がとても大切であります。
果たして私たちは何故働いているのか?
何故この仕事をしているのか??
そこもすべて選択である。
どんな仕事でも価値のない仕事はこの世の中に存在しないと思います。ですから仕事をしていく上でとても大切なことは
職業に対する自信
会社に対する自信
商品(サービス)に対する自信
自分に対する自信
この4つだと私は思います。
これは解釈力を上げることにもつながりますし、解釈力を上げることが自身の成長にもつながっていくものです。
目標はあくまでも通過点であり、自分の人生の目的を明確にすることで、モチベーションなどに一喜一憂することなく、ただひたすら他人を喜ばす為に湧き出てくる力、それが「他喜力」と言います。自分の為だと長続きはしませんが、人の為だと継続的に持続します。自分の職業を知識専門職として、子どもたちに憧れられる様な職業にするための使命感がとても重要であり、そしてプロとは?
プロとアマチュアの違いを述べて終わりたいと思います。
プロとは?
人間的成長を求め続けている
自信と誇りを持っている
常に明確な目標を設定する
他人の幸せに役立つ喜び
可能性に挑戦し続ける
思い信じ込むことができる
自己訓練を習慣化している
時間を有効に習慣化している
自己投資を続ける
成長し続ける
使命を持つ
出来る方法を考える
自分のシナリオを書く
アマチュアとは?
①現状に甘える
②愚痴っぽい
③目標が漠然としている
④自分が傷つく事を回避する
⑤経験に生きる
⑥不信が先にある
⑦きまぐれ
⑧時間の概念がない
⑨失敗を恐れる
⑩享楽的資金優先
⑪途中で投げ出す
⑫できない言い訳が口から出る
⑬他人のシナリオが気になる
最後に皆様は環境がどうあれ、どの様に自分の人生を選択しますか?このセッションが、皆様方の今後の仕事における人生における、自分軸を持つことの大切さへの気づきとなり、毎日がワクワクとしながら目的に生きる人生へのきっかけになれれば嬉しいです。

(Minoru Kanai) 金井 稔は2回のコート・オブ・ザ・テーブルと2回のトップ・オブ・ザ・テーブルを含め、11年間MDRT会員。医療機器の営業で成功を収めた後、2007年にプルデンシャル生命に入社。現在は4割が個人、6割は経営者や重役など。専門は事業継承計画、相続税対策そして従業員福利厚生プログラム。