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人を引き付けるマーケティング! ユニークな価値の明確化で新規ビジネスを推進

Maribeth Kuzmeski, Ph.D.

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クライアントは皆さんのアドバイザーとしての仕事に満足していても、お支払いただいているフィーで他にどんな仕事を任せられるかを知らない人も多いでしょう。自分の価値をクライアントや見込客に効果的に伝え、記憶に残る仕事をする方法はないでしょうか。実行可能、新しいビジネスが口コミで続く費用対効果の高い戦略を紹介します。このセッションでは、ウェブサイトの概要説明からマーケティングの効果まで、言葉や表現力がビジネス開発の最も重要な要素であることを説明します。

金融サービス業界で新規ビジネスを獲得するために一番影響力のある方法は何でしょうか。昔から変わりません。それは、推薦または紹介です。

ところで、クライアントがあなたを誰かに推薦するときに、あなたの仕事を正確に説明できますか。あなた自身は、自分の仕事を正確に説明できますか。

あなたがパワフルな価値を提案できなければ、クライアントからの紹介を期待することはできません。金融サービスというビジネスの性格上、私たちは新規ビジネスを未だに紹介に頼っています。ここに食い違いが生じます。

従って私たちは仕事について力強く印象的に語れることが極めて重要なのです。なぜならばアドバイザーの仕事はあちこちで様々なことが言われています。私たちを置き去りにして、話はどんどん進みます。例えば、米国政府は「アドバイザーはクライアントの最善の 利益を基準として行動しなければならない」と定める必要性を感じています。でも、あなたのクライアントは、あなたが常にそうしてきたことをとっくにご存知のはずです。かなり混乱を来す状況です。

また、J.D. Powersが行った調査によると、投資額が100万ドルを超えた投資家は、高額な手数料を払いたくないと感じているそうです。でも、本当は、手数料を支払う価値を実感していないのだと思います。もし投資に見合う価値を感じれば手数料を払ってもいいはずです。一方、投資に見合う価値が無ければ、手数料を払いたくないのは当然です。

例えば、Mercedes-Benzを買おうと思って、ディーラーを訪れたとします。$65,000の車種を奨められましたが、性能の説明はおろか中を見せてもくれません。試乗もさせてもらえません。さて、あなたはそんな車を買う気になりますか。私なら運転席に座って、その価値を自分で確かめます。試乗してサウンド・システムの重厚感や、温度調節機能の付いたシートの感触、シートベルトやクラクションまで全て確認し、金額に見合うだけの価値があるかどうかを判断します。

私たちはアドバイザーとしての価値を定義していないのではないでしょうか。確かに商品の差別化は困難です。けれども商品だけが価値ではありません。私たちが提供する価値は、アドバイスや経験を含めた「知的資本」です。金融サービス業界や、アドバイザーの仕事について、異なる視点から説明する取り組みが必要です。政府の決定に口出しすることはできませんし、メディアで報じられる内容をコントロールすることもできません。私たちに唯一出来ることは、自分の職務を明確に説明することです。私たち自身のために、これまでの言い方を改め、よりよい会話にする努力をすべきです。

スポーツ業界の例を挙げましょう。あなたはどこかのチームのファンですか。ごひいきのチームのことを考えてみてください。中には、負けてばかりのチームを応援する方もいるでしょう。しかし、なぜ弱いチームを応援するのでしょう。ファンだからです。本当のファンなら、負けても勝っても応援します。それがファンです。では、あなたのビジネスのファンを増やすにはどうしたらよいのでしょう。スポーツから何を学ぶべきでしょう。

私はGreen Bay Packersのファンです。Aaron Rodgersというスター選手がいるからではありません。彼は素晴らしい選手です。でも、もっと深い理由があるのです。この赤毛の女性、すなわち私の祖母の影響です。[視覚資料]

祖母にとって、私は初孫でした。その意味をお分かりですか。惜しみない愛情を注いでくれました。祖母からあらゆるものをもらいました。時間、関心、視線。祖母と一緒にいる時、私が世界の中心でした。そういう存在が他に現れるかどうか分かりませんが、まだ幼い頃にそのように接してもらったので、当然他の人も、そのように接してくれるだろうと思い込んで育ちました。しかし実際、祖母は私の初めてのファンであり、成長するにつれて、おそらく彼女のようなファンは現れないことも分かりました。祖母とは、それほどユニークで特別な関係でした。

幼い頃、祖母の膝の上に座り、Green Bay Packersの試合を見ていたことを覚えています。祖母はGreen Bay Packersの大ファンでした。フットボールのルール、ポジション、選手、審判のコールについて教えてくれました。ハーフタイムになると、紙切れとペンを手渡しながら言いました。「抜き打ちテストよ」そして、前半のオフェンス陣とディフェンス陣を答えさせられました。それが普通だと思っていました。女の子がおばあちゃんと一緒に、フットボールの布陣の分析をすることが「変わっている」とは夢にも思いませんでした。でも、私は祖母に決して「ノー」と言いませんでした。祖母から「フットボールを観ましょう」と言われたら、必ずそうしました。

私にとって祖母はそれほど特別な人でした。今でも、ウィスコンシン州Green BayにあるLambeau Fieldを訪れ、Green Bay Packersの試合を観る機会があれば、真っ先に祖母のことを思い出します。祖母への思いで満たされます。お分かりでしょうか。チームの勝敗は関係ないのです。心で感じるからファンになるのです。目に見える結果ではありません。重要なのは、商品や販売戦略だけではありません。あなたのビジネスのファンを増やしたければ、「特別な思い」を持ってもらう必要があります。

これがマーケティング磁力(人を引き付ける力)を生み出します。成功している金融サービス・ビジネスの中心には、これが必ず存在します。人を呼び寄せる力です。どうすればこの力を身に付けることができるのでしょうか。その秘訣はビジネスの中にマーケティング磁力を作り出すこと。あなたがユニークな存在であると感じてもらうこと。そして、クライアントがあなたのことを誰かに紹介するときの説明を、少し変えてもらう工夫をすることです。

まず、ビジネスの中にマーケティング磁力を作り出すために必要な4つの条件についてお話ししたいと思います。

第1の条件は、あなただけが持っていて、他の人には無いものをアピールすることです。アドバイザーのオフィスに出向き、マーケティングの話をするとき、私は最初にこんな問いかけをします。「あなたの競争優位性は何ですか」「他の人と違う良さは何ですか」

すると、ぽかんとした表情で「分かりません」と返されることがよくあります。確かに答えるのは難しいと思います。私たちが販売する商品やサービスはよく似ていて、「自分だけが持つ良さ」を見出すのは困難です。むしろ、私たちが販売する保険商品そのものがユニークさの証だ、と考える人もいるでしょう。しかし、それでは不十分です。

では、アドバイザーは、どうやって他者との差別化を図ればよいのでしょうか。「道を挟んだ向かいにもアドバイザーのオフィスはあるのに、なぜあなたにすべきなのでしょう。理由が知りたいです」こう聞かれたら、あなたはこんな風に答えるかもしれません。「我々の方が優れているからです」少し優れているのか。かなり優れているのか。たとえ「優れている」と言葉にしなくても、ほのめかしているかもしれません。この戦略の問題点は、相手が信じないことです。これまでにも「優れている」と謳ってしまい、手厳しい目に遭ってきました。

例を挙げましょう。スーパーの洗濯洗剤売り場で、ふとTide(訳注:アメリカの洗濯洗剤)のボトルが目に留まります。ラベルには星がついていて、「新改良」と謳ってあります。それを見て「ああ、ついに、ついにTideが新しくなった」とつぶやき、引っ掴んで買い求め、大急ぎで家に帰って洗濯機を回しその効能を確かめたくなる、という人はいるでしょうか。いいえ。実際には、Tideに目もくれません。「どうせ何も変わっていない」と思っているからです。

最大の論点を「比較」に求めてはいけません。「他には無い」ことが重要なのです。皆さんについては知りませんが、私は幼少期に「他の子と同じにしなさい」と言われて育ちました。目立ってはいけません。皆がすることを真似しなさい。良い成績をとりなさい。ラインからはみ出してはいけません。しかし、金融サービス業界において、これは命取りです。(もちろん、コンプライアンスからはみ出せと言っているのではありません)グレーのスーツに身を包んで、グレーの壁の前に立っても、全く目立ちません。それどころか、クライアントが本当にヘルプを必要とするときに、私たちを見つけることもできません。この業界の大きな問題です。なんとか目立って、記憶に残る方法を探さなければなりません。

差別化というテーマでリサーチを行いました。そこで「日用品」の商売を探ってみました。日用品の販売で差別化ができるとすれば、金融サービスのプロである私たちにもできるはずです。

テキサス州にあるガソリン・スタンドのチェーン店Buc-ee’sに注目しました。まだBuc-ee’sに行ったことがないという方は、おそらく一流のガソリン・スタンドをご存じない方だと思います。なぜなら、Buc-ee’sに行くまで、私は一流のガソリン・スタンドがどんなものかを知りませんでした。

Buc-ee’sには、熱狂的ファンもいます。CEOにインタビューし「ガソリン・スタンドのチェーン店がこれだけ人気になり、ファンを作り出す秘訣は何でしょう」と尋ねました。Buc-ee’sでは、数年前に顧客アンケートを実施し、「ガソリン・スタンドで一番不快なことは何ですか」と質問したそうです。答えは何だと思いますか。そう、トイレです。

Buc-ee’sはトイレのサービスを提供する会社ではありません。コアの商品は、ガソリン、菓子類、コーヒーです。けれども、顧客がガソリン・スタンドに何を求めているかが分かったとき、同社は行動を起こしました。テキサス州に40ヶ所以上ある全営業所のトイレを改装し、広々とした清潔なトイレルームを設置したのです。Ritz-CarltonやFour Seasonsのトイレよりも快適です。

Buc-ee’sを初めて利用したときの鮮烈な驚きを覚えています。ガソリン・スタンドを抜けて裏手に回り、女性用トイレルームのドアを開けました。一瞬、身動きできませんでした。目の前にソファと暖炉があり、女性が腰かけて読書をしているではありませんか。私ぐらいの年代の方ならご存知でしょう。「トワイライト・ゾーンへの扉を開けてしまったのかしら」と思ったほどです。ガソリン・スタンドのトイレルームでくつろぐなどあり得ません。たいていは、息を止めて、口と鼻を覆い、急いで用を済ませます。まったりする場所ではありません。

「私たちは人が求めるものを提供しました」Buc-ee’sのCEOは言いました。しかし、口コミがゆっくりと広まるのを待ってはいられませんでした。このユニークな特徴を宣伝に利用しようと決意しました。そこで州内のあちこちに看板を設置しました。「Buc-ee’sまであと420㎞。我慢して!」テキサスの長い道を走っていると、この看板が目に入ります。一瞬「何の話」と疑問に思いますが、すぐにピンときます。これは「是非使ってみたくなる」トイレです。「必要に迫られていく」トイレではありません。

一方、金融サービスでは、「必要なもの」を販売することがほとんどです。「生命保険が必要です」「長期介護保険の必要性を共有しましょう」問題は、クライアントが商品を「心から欲しい」と思っていないことです。にもかかわらず、物を売る絶好のタイミングは、相手が「心から欲しい」と思うときなのです。では、クライアントは何を欲するのでしょう。

おそらく、クライアントが欲するものはひとつです。ユニークで、人の心を掴んで離しません。それはあなたです。クライアントは相談相手を求めています。助けてくれて、守ってくれる存在を求めています。あなたのような人です。けれどあなたの存在をどうやって知らせればよいのでしょうか。ご存知でしたか。クライアントが「この保険に加入しよう」と決断する理由の80%は、アドバイザーにかかっていることを。では、クライアントとの面談で私たちは自分のことについて80%話すべきですか。そんなはずはありません。むしろあなたとのビジネスで何が得られるのか、そしてあなたがどんな人物なのかということを知らせなければなりません。

今から、あなたのユニークな点について考察しましょう。あなたは、なぜこの仕事に就いたのですか。答えをお考えください。なぜなら、それはあなたがユニークな存在であることを物語るからです。この仕事に就いた理由と、このビジネスがあなたにとってどんな意味を持つのか。それを人に説明しましょう。あなたをユニークな存在として際立たせます。同じストーリーを持つ人は他にいません。

私のストーリーは、名刺を見れば分かります。フットボールを図案化した名刺です。先程述べましたが祖母はフットボールの大ファンでした。自分の会社を持ったとき、祖母にあやかって、Red Zone Marketingとしました。成功するために、祖母に近くにいて欲しかったのです。祖母の話をすると、人々がそれで私のことを覚えてくれました。私が赤を着るのもそのためです。社名がRed Zone Marketingなのですから、赤を着るのは当然です。けれども、私のファミリーネームKuzmeskiは、なかなか覚えてもらえません。正しく綴ることが難しいため、Google検索にもかけてもらえません。

ところが、祖母の話をして赤を着るようになってから、Red Zone Ladyという検索ワードが一番多く使用されるようになりました。もちろん、覚えてもらえるなら、どのようなワードであっても構いません。あなたにとっても同じです。人はあなたの行動を記憶するのではなく、あなたがどんなストーリーを持つかで記憶するのです。ところで、フットボールの名刺にしたなら、選手の様に自分の身長と体重は載せなければなりません。体重のところには「プロテクター無し」と、書き添えていますが、24年間連れ添った夫は、「今週の、にしたら」と意地悪な事を言います。この名刺を刷るまで、体重計に乗ったことはなかったのです。名刺には好きなように体重を書きます。本当の体重を載せるなんて御免です

2番目の条件は、あなたのメリットを宣伝することです。あなたはどうやって自分の仕事を、パワフルに価値のあるものとして伝えますか。

マーケティングにおける最大の過ちとは何でしょう。おそらくあなたが思っている答えではありません。交流イベントの出席回数や、主催するセミナーの数が少ないことではありません。答えは「他の人に自分の価値を十分に伝えていないこと」です。例を挙げましょう。交流イベント会場で「お仕事は何ですか」と尋ねられました。あなたは「金融サービスです」あるいは「保険アドバイザーです」と答えたとします。さて、相手は、あなたともっと話がしたくなるでしょうか。正解は、話したくなくなるです。常にそうです。

けれども、あなたのせいではありません。相手は「何か売りつけられるに違いない」と思い込んでしまうのです。理由を考えてみましょう。イベントに出向き、人々の関心を集めようとしても、「言葉の力」に頼っていると、却って人を遠ざけてしまいます。あなたのせいではありません。でも、解決策を講じるのはあなたです。

ファイナンシャル・アドバイザーという職業は将来を語りたがります。そして「私たちに何ができるか」について説明することが得意です。しかし、本当に伝えなければならないのは「どんなメリットがあるか」ではないでしょうか。

例えば、見込客から「道を挟んだ向かいにもアドバイザーのオフィスはあるのに、なぜあなたに相談すべきなのでしょう」と尋ねられたとします。「私はこのビジネスで20年のキャリアがあります」と答えた場合、相手はそれをメリットと思うでしょうか。いいえ。それは単なる事実に過ぎません。けれどもあなたは「成功の証と解釈してもらえる」と思い込んでいるのです。ひょっとすると相手は、「20年。老いぼれていやしないか。コンピュータが使えるのだろうか。もうじきリタイアするのではないか」などと考えているかもしれません。相手から「メリットを見つけてくれる」と期待するべきではありません。私たちは、自分のメリットを説明する権利を行使しなければなりません。さもなければ、相手は決して理解してくれません。

この場合、「コネクタ」となる言葉を補えば、単なる事実とメリットの間をつなぐことができます。自分のキャリアを強調したいなら「私には20年のキャリアがあります。それがなぜ重要かをご説明しましょう。今まで、13回の不況を経験し切り抜けてきました。お客様の資産保護に関して多くの経験を積みました。それが私の専門分野です」と言うことができます。

人は単なる事実には興味を示しません。事実からもたらされる「メリット」に興味を示すのです。そこで、先ほどの質問「あなたの仕事は何ですか」と聞かれて、相手から敬遠されないように答えるにはどうすればよいでしょうか。私は”Simple, Repeatable Statement of Value (以下SRSV)”、つまり「簡潔に、繰り返して価値を伝える」が重要だと考えています。「お世辞」に似ていますが、落とし穴はありません。本当のことを正々堂々と伝えますので、恥ずかしがる必要もありません。

シカゴにいる私のクライアントに「あなたの仕事は何ですか」と尋ねたとき、彼は「XYZ社でファイナンシャル・アドバイザーをしています。重役向けの退職プランのアドバイスが専門で、Abott Labsも私の顧客です」と答えました。最初に聞いたとき、少々具体的過ぎると感じました。でも、このアドバイザーはそれが自分の望みだと強調しました。既成概念に捕らわれたくないと言いました。

一番印象に残ったのはどの部分かと聞かれました。あなたはどこだと思いますか。実はかくかくしかじかの後の「Abott Labsも私の顧客です」は記憶に残ります。短い説明の中では仕事の内容よりも、クライアントの名前がより鮮明に記憶に焼きつくのです。

彼の場合は効果的でした。けれどもベスト・プラクティスはSRSVをポケット一杯に用意して「簡潔に、繰り返して価値を伝える」ことです。そして、目の前の相手の記憶に残る話をすることです。

例えば、多くの事業主が集まるイベントに定期的に顔を出すというアドバイザーがいました。こんな自己紹介をするそうです。「私はファイナンシャル・アドバイザーをしています。クライアントには多くの事業主の方がいます。これまでに60名以上の方の事業売却のお手伝いと、引退後の暮らしに関するアドバイスを行ってきた実績があります」ところで、経営者が高い関心を持つことがふたつあります。今、売り上げや収益を上げ、いずれはビジネスを売却か譲渡することです。保険や401Kの話をしてもあまり乗って来ません。普通、事業主はこれらの商品を欲しがりません。その代りに、あなたの実績の中で、彼らが欲するものを紹介しましょう。

ここでも、SRSVを用意しておくことが重要です。相手が医者か教師なら、これまでに扱った医者か教師の事例を紹介しましょう。「典型的な価値の提案」などという一般的な表現は右から左へ聞き流されます。面白味がありません。今、ウェブサイトを20件ほどチェックしたら、こんな「価値提案」が見つかるでしょう。「個人、ご家族、法人向けに、ファイナンシャル・プランと投資管理をご提案します」具体性に欠け、説得力もありません。むしろ、逆効果かもしれません。例えば、あなたは本当に「どんなクライアントにも対応できる能力」をお持ちかもしれません。しかし、目の前の相手は「世界中の人に対応できるはずがない」と考えてしまうかもしれません。人は自分のことに関心を持ちます。ですから、自分にとって重要なことや興味がある話題に耳を傾けます。

3番目のマストは、あなたの価値を明確に伝えるモデルを持つことです。あなたには自分の価値を詳細に伝えるための方法がありますか。

余談ですが、先日ニューヨークの街を歩いていたときのことをお話ししたいと思います。水曜日のマンハッタンで、正午ごろでした。ミーティングに間に合うよう急ぎ足で歩いていました。そして、このプラカードの前を通り過ぎました。思わず二度見して、「見間違えではないか」と逆戻りしたほどです。鞄から携帯を取り出し、写真を撮りました。(後ろに写っているのは私の影です)[視覚資料]「ビール最初の1杯を2杯分の値段で買うと、もう1杯は無料です」こんな価値提言がありますか。

写真を撮るときに、レストランの中が見えました。さて何が見えたでしょう。水曜日の昼時です。バーには立ち席しかありません。でも、店内の席に座ってランチをしたい人の行列ができていました。看板の効果でしょうか。もちろんそうでしょう。でも、あなたが考えている理由とは違うかもしれません。

この看板を見たら、あなたならどう思いますか。この店には、楽しい笑いが待っていそうだと思いませんか。それがこの店のカルチャーです。食事と安酒を提供するだけの店とは一線を画しています。ファイナンシャル・サービスにおいても、クライアントを魅了するのは、あなたのカルチャーです。つまりクライアントをどんな気分にさせるのかが重要なのです。しかしそれは、実際にクライアントになってみないと味わえません。私たちの最大の売りを隠しておく手はありません。

人の聴覚、視覚、記憶に訴えることのできる価値提言を作ることができるとしたら、どうでしょう。見込客やクライアントを前にして、あなたの価値提言を伝えるひとつの方法を考えてみましょう。この方は、保険販売と投資において、かなりの実績を持つアドバイザーです。トップ・オブ・ザ・テーブルに入るレベルのプロデューサーであり、会社が運用を任されている総資産は10億ドルを超えています。

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自分の仕事を説明する場合、細々した詳細や成功実績を並べ立てることはありません。ホワイトボードか白い紙の一番上に「ファイナンシャル・サービスの再定義」と書きます。そして「私たちは、あなたの人生を一変させる結果を出すお手伝いをします」と書き3つのポイントを説明します。集合を表す3つの円を描きます。最初の円の上部に「リスク管理とプラン二ング」と書き、その中に「ゴール設定」「ファイナンシャル・ライフの統合」「将来設計」「相続」という具体的な4項目を加えます。それから、なぜこれらが見込客やクライアントにとって重要な意味を持つのかについて説明します。

2番目の円の上部には「投資管理」と書き、プロセスについて説明しながら、円の中に「機関投資リサーチ」「資産配分」「ポートフォリオ変更の指針となるトリガー」「パフォーマンスと成果をクライアントとレビューする回数」などの言葉を書き足します。

最後の円には「知的資本」と書きます。そして「これが私たちの最大の売りです。私たちのチームと実績についてお話しさせてください。まず私ですが、この業界で20年のキャリアがあり、資産保護が専門です。この間に起きた13回の不況を乗り越え、多くの経験を積み上げてきました」同じ様にチームのメンバー全員についても紹介し、彼らの専門性を強調します。

次に、Vanguard研究について触れます。ご存知ない方のために説明しますが、アドバイザーの価値を分析した研究です。「アドバイザーの価値は、運用を任された資産の約3%に相当する」としています。アドバイザーの役目はミスを未然に防ぎ、クライアントの最善の利益を追求して行動し、ファイナンシャル・ライフの管理を積極的に行うことです。

「私たちは、これら全てを忠実に実行し、請求させていただく手数料以上の価値をお届けすることを目指しています」

その後、彼は重要な質問を投げ掛けます。「私たちがお届けする価値について、何かご質問はありますか」答えはいつもノーです。このように、視覚資料を使って説明すると、記憶保持率は最大70%にアップするそうです。視覚資料を使わないと記憶保持率は30%前後になってしまうそうです。彼はたった三つの円を描くことによって、クライアントに堂々と示しました。1,050ではありません。人は3という数字で記憶します。一般的なセールスの場面に登場するカタログも使いません。人は受動的に売られることを嫌がります。自分で決断したいのです。これはひとりのクライアントのためだけに行われた本物かつ誠実なプレゼンテーションです。それが成功する理由です。

また、このようなプレゼンテーションは、紹介ツールとしても最良だと思います。紹介を直接お願いできればいいのですが、ほとんどのアドバイザーは、それをなるべく避けたいと思っています。では、なぜこれが最良の紹介ツールなのでしょうか。なぜなら、彼は今後の面談で毎回この視覚資料を使うからです。面談の冒頭で「まず三つの柱について振り返りましょう」と言って、円をおさらいし、彼とチームが提供する価値をクライアントが忘れないように再確認します。クライアントは、あなたの価値を鮮明に記憶します。このような情報共有を通じて、あなたのことを誰かに理想的に紹介してくれる準備が徐々に整っていきます。

また、Capabilities Deckと呼ばれる双方向のプレゼンテーションを通じて、あなたの価値を示すこともできます。スライドを4、5枚準備し、あなたの目的、他者との差別化、ソリューション、知的資本、クライアントが受け取る結果について視覚的に伝えます。新学年用の宣伝キットに似ていますが、直接的なセールス・トークはありません。

言葉だけでなく、視覚資料で補足することが重要です。人は、言葉だけに関心を向けることができません。アメリカ人の集中力の平均持続時間は約8秒です。つまり、実際には誰も他人に関心を向けていないことになります。人に関心を持ってもらい、自分の言葉を記憶してもらいたいなら工夫が必要です。

最後の条件は「拡散」です。あなたがこれまで築き上げてきた実績が、オンラインでの評価と一致するために、どのような手段を講じればよいのでしょうか。なぜそれが重要かと言うと、クライアントがあなたのことを誰かに紹介した場合、その人は真っ先にあなたのことをGoogle検索するはずだからです。あなたに直接会うのはその後です。実際、新しいアドバイザーを紹介された場合、10人中9人がGoogle検索にかけるそうです。なぜでしょうか。どういう人物か調べたいのです。「わざわざオフィスに出向いてまで会う必要はない」という理由を探すのです。歯医者に行きたくないのと同じです。人には面倒なことを避けようとする傾向があります。

あなたがコツコツと築き上げてきた実績は、オンラインでの評価によって一瞬で覆されるかもしれないと知ったら、それを変えたくありませんか。残念ながら、それは事実です。自分の悪口が書いてあるからではありません。毎日SNSに投稿するという話でもありません。デジタル・マーケティングのエキスパートになるという話でもありません。あなたのオンラインでのプレゼンスを実際のあなたと同じになるように維持します。クライアントがあなたに直接会って話をする機会と理由を見つけましょう。

簡単な方法は、オンライン上で自分に関するプロフィールを持つことです。ウェブサイト、バイオ、あなたの情報が簡単に検索できるサイト、LinkedInなどです。LinkedInのプロフィールを効果的に変える最も簡単な方法は、先ほど述べた質問「なぜこの仕事に就いたか」に答えることです。LinkedInプロフィールのサマリー・セクションで、あなたのストーリーを伝えましょう。あなたのプロフィール写真とヘッドラインの真下にあって、一番先に目が行く場所です。

かつて、私のクライアントに「なぜこの仕事に就いたか」を質問してみたことがあります。彼は「この仕事をすることになるだろうと分かっていた」と答えました。彼の父親と叔父は、ピッツバーグで有名な外科医でした。彼は裕福な家庭で育ち、私立学校に通い、豪邸に住んでいました。しかしあるとき、父親と叔父がピッツバーグの鉄鋼株に全財産を投資し、全てを失ってしまいました。家を没収され、友人や学校から引き離され、両親は離婚しました。「家族が経験したような困難から、人を救う手助けをしたい」これが彼の子どもの頃からの願いでした。ファイナンシャル・アドバイザーという言葉すら知りませんでしたが、後にそれが彼の目指すべき職業だということが分かりました。

今日では多くの医者をクライアントに抱えていますが、この話をしたことはありませんでした。彼は「この話をしたところで、アドバイザーとしての資質が上がるわけではない」と考えていました。その通りです。しかし、このストーリーをLinkedInプロフィールのサマリー・セクションに掲載したところ、「会いたい」と希望する医師からの問い合わせが殺到しました。彼は当初、変則的な現象だと思っていましたが、理由がありました。医師という職業の人は、その場で最も賢明な判断ができる人とされています。けれども、多額のお金を稼ぐ一方で、投資判断を誤った経験を持つ人もたくさんいます。(むしろ、誤らない方が珍しいかもしれません)このアドバイザーのプロフィールを読み、「彼なら批判せず、自分を理解してくれるだろう」という安心感を持ったのです。信頼できる、本物の経歴を兼ね備えたアドバイザーに巡り会えたのです。

全てが順調に進み始めたら、ミスをしないように注意することが重要です。あなたの仕事ぶりは申し分なくクライアントから愛されています。あなたを周りの人に紹介してくれます。重要なのは「彼は私にとって適任者です」と言ってもらえるような理由を作り出すことです。メッセージを少し変えるだけでできます。

このビジネスは全体的にクライアントを中心として成立します。あなたが中心ではありません。けれども、祖母が言っていたように、大切なのは試合結果ではありません。「ゲームの中味」が重要です。通常、基礎的条件が強い人が勝者になります。祖母は、豊かさと愛情をもって、人生というゲームをプレーしました。彼女の日常の行動がそれを示していました。あなたは、見込客やクライアントに何を与えようとしているのでしょうか。マーケティングやオンラインでそれを示しましょう。言葉選びを慎重に行い、自分やビジネスに関する会話をコントロールしましょう。それはあなたの価値を守ることに繋がります。あなたの実績が、新しい顧客を呼び込むでしょう。

Maribeth Kuzmeski, Ph.D., は米国で管理資産が3億から10億ドルというトップ水準の金融専門家にコンサルティングを提供する Red Zone Marketingの社長。著書は7冊あり、コロンビア大学でマーケティングを教えている。メディアではFox News, USA Today, the Wall Street Journal そしてForbesにも登場する機会が多い。

 

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