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対談: 成功への道

Alessandro M. Forte, Dip PFS; Tony Gordon

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共に長年のTOT会員であり、同胞のGordonとForteが、それぞれの歩んできた成功への道のりを紹介します。二人とも恵まれたスタートではありませんでしたが、それぞれ困難を乗り越え、アイディアを学び、成功を遂げてきた経験を紹介します。二人合わせるとTOT資格は59回となります。

Gordon: Sandro、仕事を始めてすぐの一年間はMDRT資格がなかったそうですね。なぜですか。どうしていたのですか。

Forte: 多くの方々と同じ経験を私もしたのだと思います。ネットワーキングの構築を教わりました。私の場合、最初の2年間は本当の意味で仕事をしていませんでした。当初、仕事はとても簡単だろうとタカをくくっていました。電話をかける。見込客と話す。客は皆「イエス」と答え、一件落着。でも残念なことに、そんな風に上手く事は運びませんでした。そこで、それから3年間、Tony、あなたが親身に励ましてくれたこともあって私はMDRT会員になる目標を掲げて働きました。でも同時に、実はこの3年間、私は始終MDRTの大会に出席しない言い訳を考えていました。実際はあなたに背中を押されるようにして、私はMDRTのミーティングに初めて参加しました。

それからの私も、おそらく人生において二度目の仕事上の失敗をしました。PGAにも基金にも参加せず、新しい友人を作りませんでした。MDRTは「自分が想像したのと違う気がする」と思っていました。その結果、翌年のミーティングには参加しませんでした。再び、後ろから背中を押されるようにして、翌々年のミーティングに参加してからは毎年参加しています。なぜだと思いますか。私自身がMDRTと深く関わったからです。参加したからです。正直なところ過去20年間、私の業績の少なくとも50-60%はMDRTのおかげです。皆さんはどうですか。

Gordon: ご存知の方もたくさんおられますが、私はMDRTに入会するのに8年かかりました。私の場合、MDRTを知っていましたし聞いたこともありましたが、何をする団体なのか、どのような団体なのか全然知りませんでした。

ある時、業界団体の研修に出席した際、講師がMDRTについて話すのを聞きました。MDRTは我々の業界のトップ達が入るクラブだということでした。この仕事を続けるならば、自分の自尊心を満足させるためだけでもそのクラブのメンバーになりたいと思いました。

当時の私の問題は、目標がないことでした。快適な生活を送っていましたし、MDRT資格の3分の2くらいの業績もありました。比較的少額の住宅ローンの支払いをしながら家族を養っていました。しかし、私には目標がありませんでした。

Forte: どんな風に気が変わってMDRTに入る気になったのですか。

Gordon: そうですね、このクラブに入りたいと決めてからすぐ成績資格要件を見ましたが、「無理だ。自分一人では無理だ」と思いました。しかし、分割するとどのくらいになるのか計算してみました。「ひと月にこの額を増やさなければならないのか。多すぎる。週単位でもこんなに多いのか、なかなか厳しいな」と思いました。しかし毎週、週に4日平均的なサイズの契約をお預かりできれば、週日の残り1日を予定を立てて見込客を探す日にすれば、入会資格が得られるという計算になりました。

この時、私は毎日の目標を定めるという魔法を発見しました。今日もし、皆さんが一つだけレッスンを学んでお帰りいただくならば、毎日の目標を決めることを学んでください。毎日の目標を決めると、今日やるべき事をやらなければならない、という急ぐ感覚が生まれます。この仕事で成功するかしないかは1日の過ごし方にかかっています。毎日の目標を決めただけで私の業績は2倍になり、我ながら驚きました。

Forte: 目標と言えば、Tonyはいつも「自分の歳を考えたら、朝起きられたら今日もいい日だと思う」と言いましたね。

Gordon: えっ、そんなこと言いましたか。この歳になると30年前に言ったことなど忘れてしまって。本当ですよ。私は日々の目標を決めた途端に、毎日契約を頂きたい、とやる気になりました。1日に4つのアポイントを入れるとします。そのうち、3名は約束を守って来てくれるはずです。その内1名から契約をお預かりできるでしょう。事を急ぐ感覚を意識して活動し、1件目のアポイントでは、見込客から考えさせて欲しいと言われるとします。2件目のアポイントでは、その方はSandroのクライアントでした。3件目のアポイントに見込客はお越しになりませんでした。皆さんもすっぽかされたことがありますか。4件目のアポイントは神様に願うしかありません。目標は今日契約をいただくことです。毎日の目標を定めてください。

Forte: 継続は力なり、ですね。

Gordon: 次が最後のポイントです。毎日の目標を決めるのは難しいものです。一年の目標を決める方がずっと容易い。一年間の目標を達成できなくても、がっかりするのは一年に一度だけです。毎日の目標があると、毎日帰宅後、鏡を見ながら自問しなければなりません。「今日は失敗だったか、それとも成功したか」毎日の目標を決めるには勇気がいります。

毎日の目標を決める勇気を持つ人は、そうでない人よりも常に、確実に成功します。

Forte: その通りです。私はある時人から「成功したいと真剣に考えていますか」と聞かれました。私は彼を見て質問の意味がはっきりつかめないままに「かなり真剣です」と答えました。すると彼は私の目をまっすぐに見て「ビジネスで成功したいと本当に真剣でなければ、達成したいものは得られません」と言いました。

我々がお会いするクライアントや見込客にも同じことが言えます。お客様が亡くなられた後に、残されるご家族をどれほど真剣に守りたいとお考えですか、と尋ねれば、かなり真剣ですとか、真面目に考えていますという答えが返ってくるでしょう。しかし、相手に行動を起こさせるのにはそれだけでは足りません。行動につながるポイントを申し上げれば、MDRTの会員となって学んだ事ですが、理論と実践にははっきりした違いがあります。私はMDRTの素晴らしい仲間とその精神から多くの新しい事柄を教わりましたが、それだけではなく物事を実行に移すように励まされてきました。それは、今のあなたの話とぴったり当てはまると思います。ですから私もその通りだと思います。

Gordon: 活動について話しましょう。活動は基本です。皆さんに質問していいですか。正直に答えてください。先月、電話をかけた数が目標よりも少なかった人は手を挙げてください。

もう一つ質問します。手数料を受け取った際、額面が期待したよりも少なかった人は手を挙げてください。Sandro、同じ人が手を挙げていますが偶然でしょうか。我々の仕事では、今週の活動が次回の手数料につながるのは当然のことです。

生命保険業界に入った初日、私は上司に尋ねました。「確実に成功する為に私は何をすべきでしょう」すると上司は「週に15件のアポイントを入れること」と答えました。「14件ならどうなるのですか」と聞くと、「14件でも成功できるかもしれないが、15件なら確実だ。請け合うよ」と言われました。私が週に15件のアポイントを減らしてもいいと思ったのは、それから25年以上経ってからです。我々の仕事は活動量が基本です。

トップ・オブ・ザ・テーブルの会員は通常の会員と比べて、活動量も電話の件数も2倍以上だという事をご存知ですか。2倍忙しく、2倍力を注いで働いています。その結果、収入は6倍です。フェアだと思いますか。努力が2倍なのに収入が6倍です。

「そうかもしれませんが、電話の数を2倍に増やせば断られることも増えます」と言う人がいます。一つ言わせてください。断られると傷つくかもしれませんが、あくまで一時的なものです。成功から得られる自尊心は生涯にわたって続きます。

Sandroは確実に精一杯活動する素晴らしい原則を持っていますね。

Forte: 自分では科学的システムと呼んでいます。この仕事で駆け出しの頃、ある日手帳を開いたら真っ白なページばかり続いていました。当時はタブレットやiPhoneなどありません。紙の手帳を開くと恐ろしいことに空白のページばかりです。ここで皆さんへの質問は、この状況でやる気が出ますか、それとも落ち込みますか。当時の私は落ち込みました。

やがてMDRTでもらったアイディアを思い出しました。そのアイディアを取り入れて、まず仕事の時間や見込客と会う時間帯を決めました。それからTonyの意見を取り入れて、2時間のアポ枠を少なくとも10個用意して黄色いハイライトで示しました。

見込客に会う時間帯は自分で決めました。そのことが、ある見込客との夕方のアポイントにつながるのですが、そのことは少し置いておきます。

アポイント用の黄色い枠を10個手帳に書くと、手帳を開くと、まず10個の黄色い枠が目に入ります。10個の黄色い枠が目に入ると、予定はまだ埋まっていないのにも関わらず俄然やる気が出てきます。見込客に会う予定はまだありません。そこで私の脳、つまり黄色い枠を見た私は次に何をしたいと考えたでしょうか。アポイントを書き込みたいと考えました。それから私の脳は枠に予定を書くことに夢中になりましたが、クライアントの中には「そうですね、午後2時は空いていませんし、火曜日の同じ時間も、水曜日の午後4時も無理です。午後3時はどうですか」などと答える人もいました。私は賭けの勝算を知っています。皆さんも自宅に工事に来る人達に対応されたことがあれば経験があるはずです。配管工、電気技師、大工は大抵小さなメモ帳とちびた鉛筆を持ってきます。皆さんはご自宅の工事の見積もりを相手に依頼します。「この工事に金額はどのくらいかかりそうですか」と聞くと、不思議な音を聞くでしょう。こんな音です。[チャリン]この音がすると、工事が高額になると推測できます。

話を戻すと、クライアントから「午後4時ではなく午後3時に会えますか」と聞かれても「3時で結構です」と答えたりしません。私の時間はタダではありませんし、私が暇だという印象を与えてもいけません。仕事への姿勢は確実に現実を変えます。ですから元々黄色い枠を書いた時間帯にできるだけ近い時間に予定を入れられる様に交渉します。11個目の赤い枠は自分への褒美かつ自分の誇りです。先ほど原則について話しましたが、黄色い枠10個に予定を入れられたら、赤い枠を書き込んでいます。黄色い枠が10個予定で埋まりそうだという頃、赤い枠について考えます。11個目の赤い枠は自分の好きなように、時間を使う事にしています。

私はMDRT基金に寄付をしています。私は基金のエクスカリバー・ナイトであることを非常に誇りに感じています。基金に関心を抱いています。赤い枠は私の選んだ行為であり誇りです。ありふれた賞賛など求めていません。これが私の行いであり原則です。

このシステムが優れているのは、手帳を開いたら脳がパッとやる気になるところです。空白があっても黄色い枠10個に集中すれば良いのです。

Gordon: 素晴らしいアイディアです。活動について一つ共有させてください。毎週アポイントを1件増やしたらどうなると思いますか。想像してください。毎週アポイントを1件増やすだけです。一年に換算すると50件のアポイントです。さあ、年間50件増やしたアポイントのうち40件で見込客にお会いできるとします。そのうち10人から15人からはご契約を頂けるでしょう。平均手数料を1件あたり1,000ドルと少なく見積もっても手数料収入は15,000ドル増えます。

では、想像してください。皆さんがこの大会から帰国すると、愛する夫や妻、ボーイフレンドやガールフレンドがこう話しかけます。「良いアイディアを見つけた?」あなたはこう答えます。「ある講師が、毎週アポイントを一件増やしたら、来年君に15,000ドルのお小遣いを渡せるそうだよ、ダーリン」ダーリンはなんと言うでしょう。きっと「二件増やせば?」と言うでしょう。

原則の話をしましょう。

Forte: ええと、ビジネスで成功する基本についての話です。我々は良い原則の実例をたくさん知っています。SMARTゴールと呼ばれるものを教えてくれた人がいました。皆さんはSMARTゴールを聞いたことがありますか。特定の(Specific)測定可能な(Measurable)達成可能な(Achievable)現実的な(Realistic)期限付きの(Timeline)の頭文字から来ています。人生で失敗するのは目標を高くしすぎて失敗するからではなく、達成した目標が低すぎるからだと、かつてどなたかがアニュアル・ミーティングで話されました。

非常に高い目標を掲げた結果、その目標は達成できなくてもトップ・オブ・ザ・テーブルに入会できるということもあります。非現実的な目標が多い私はSMARTゴールのシステムを少し変えました。私はトップ・オブ・ザ・テーブルを2回達成するという目標を立てていましたが、知人から「馬鹿げた目標を立てない方がいい」と言われました。幼い頃、親からもそういう否定的なことを言われました。

「宇宙飛行士になりたい」「脳神経外科医になりたい」と子どもが言うと、「馬鹿げたことを言わないように」と言われます。自分の人生経験から何が達成可能か推し量ろうとします。

そこで私はSMARTゴールを変えて、私の目標は全て、素敵な(Stunning)大きい(Massive)素晴らしい(Awesome)非常識な(Ridiculous)そして最も大事な点ですが、今日が期限の(Timeline)目標にします。MDRTアニュアル・ミーティングで新しいシステムやプロセスを学習し、帰宅後24時間以内にアイディアを実行しないなら、結局そのアイディアは活かされないのが良い例です。そこで私は標的を変え、目標を高く掲げます。その目標が達成できないこともありますが、低めの目標を設定するよりも、結果的に多くを成し遂げていると思います。

実務の基本もいくつか教わりました。非常に保守的な家庭で育ったことを私はとても誇りにしています。父は素晴らしい人でした。必ず「お願いします」と「ありがとう」を言い、時間を守り、人を尊重することが大切だと教えてくれました。父の教えはMDRTのツール・セットの一部として、とても役に立つツールだと思います。

Tonyはどうですか。あなたは原則と自律を重んじる人ですよね。

Gordon: 君はきっと私の祖母と気が合うでしょう。祖母は「できない」と言う言葉はないと常々言っていました。何事に対してもその態度を貫きました。「できない」という言葉などありません。私はそう聞いて育ちました。お分かりだと思いますが、我々が成功する理由は多くあります。皆さんの成功や達成方法は各自違います。しかし、失敗する理由は一つ、自分を律する事が出来なかった事が理由です。

自律は筋肉のように使えば使うほど強くなります。MDRT会員になれるかなれないか、コート・オブ・ザ・テーブル、トップ・オブ・ザ・テーブルになれるかなれないかは、どういうルールを自分に課すかによります。大きな成功を収める方々は、それほど成功していない方々が嫌がることを厭わず行う自己管理のルールを持っています。それが楽しかろうが楽しくなかろうが必ずすることです。我々の業界に天才などいません。但し、驚異的に自分に課したルールを守れる方々です。

Forte: MDRTの精神的支柱の一つはホールパーソンです。心と身体の健康を目指すホールパーソンについて話しましょう。Tonyもジムに通って健康に気を付けておられますね。

Gordon: もちろんです。

Forte: 運動のことはあまりお話になりませんね。

Gordon: いや、そんなことはないのですが、年とともに運動するのがだんだん難しくなってきます。私はロンドン・マラソンを走ったこともありますが、30年も昔の話です。健康を維持しようと努めています。自宅は公園の側ですし、少なくても週に3回のジム通いは欠かせません。私の場合、運動は1日の始まりにしないと調子が出ません。身体を動かすこと自体よりも、見込客がしていない運動を自分はしているという満足感が自信につながっています。朝一番に走ったり、歩いたり、トレッドミルで運動をすると気分が良くなります。その日のアポイントを考えて、クライアントとの会話を練習したり、予想される質問に答えたり、断られた時の返事まで想像し見込客に会う心の準備を整えています。

Forte: 私は朝4時半や5時半に起きるのは大嫌いです。早起きはつらいです。早起きをするのは、健康に欠かせない運動をするためだと分かっていてもつらいです。

私は金曜日は自分をねぎらう日と決めています。ビジネスで自分に課している自律を守れなければ、つまり金曜の午後までにその週の目標を達成できず、黄色い枠を予定で埋められなかった場合は帰宅しません。枠が埋まるまでオフィスにいます。一方で、もし金曜の午前中に目標すべてを達成できたら、金曜日の午後は休みを取って自分をねぎらうことにしています。

逆の意味の自律と言えるかもしれません。目標を立ててそれを守るのは非常に大事だと考えています。随分前に戦略コーチから教えてもらった方法で、日々の仕事に合わせて自分なりに改良した方法を紹介します。”On, In, Me” と呼んでいます。時間設定を鍵となる3つの活動に分けます。”On” は戦略的な時間で、アニュアル・ミーティングに出席することや、読書、勉強、会議への参加、上司とのミーティングなどです。”In” はクライアントとの面談や収入を生む時間で、”Me” は自分や家族のための時間です。

どの活動時間を最優先するべきか尋ねると、多くの人は “In” の収入を生む時間を第一に考えている事が面白いです。しかし私は”Me” の時間を1日の始めに持ってくるべきだと思います。プライベートな時間を第一にしなければ、つまりホールパーソンを第一にしなければ、仕事の管理もできず、仕事に忙殺されてしまう可能性が非常に高くなります。まず自分自身のこと考える習慣をつけていただきたいと思います。

人によって差はありますがご自分とご家族のことを考えるなら”Me” に2割の時間が必要です。戦略計画も2割とすると”In” に必要なのは6割となります。私はもう少しで50歳なり、双子の子どもは21歳になり、孫まで生まれました。かけがえのない本当に大切な時間を愛する家族と過ごしたいと思っています。ですからこれが私の原則です。

Gordon: MDRTのホールパーソンの考え方が素晴らしいのは、仕事は一番の優先順位ではないと教えてくれるところだと思います。仕事は我々が注力しなければならない生活の一部に過ぎないのです。仕事が一番の優先順位でなくなると逆に仕事がうまくいきます。

セールスが不調だと感じるのはどういう時か考えてみてください。売上げが本当に必要な時です。逆にセールスが快調なのはどういう時ですか。その週の見込客全員から契約をいただいて、もう1件契約できたら活動報告書をまとめて、事務処理に取りかかろうという時です。そういう時ほど、皆さんのところに契約が転がり込んでくるものです。もしも我々が仕事の優先順位を下げることができるなら、つまりホールパーソンの概念にあたる家族、地域、学習、健康の優先順位を上げ、これらの重要性を高められたら、ビジネスはこれまでよりもはるかにうまくいくようになります。

Forte: 一言付け加えると、ホールパーソンの概念を守る上で難しいのは夕方のアポイントです。我々の多くが直面する問題で、ファイナンシャル・アドバイザーは夕方訪問するものだという先入観を我々も一般の方々も持っています。Tonyはどうやって夕方のアポイントをやめましたか。あなたはご自分のビジネスのルールを守っているのを知っているので聞かせてください。実際、MDRTの会員で夕方のアポイントをやめた第一人者はあなただと記憶しています。

Gordon: それもMDRTのおかげです。私にとって週に15件のアポイントを確保するのは、神聖な習慣でした。かつては月曜日の夕方1件、火曜日の夕方1件、水曜日の夕方1件、木曜日の夕方1件という具合にアポイントを入れていました。しかし随分前のMDRTのアニュアル・ミーティングである講師が「クライアントや見込客には日中にお会いしたいと伝えましょう」と話されました。仮にそうできたとして、週に15件のアポイントが維持できるか疑問に思いました。

そこでまず木曜日の夕方のアポイントをやめてみました。月曜日、火曜日、水曜日は夕方のアポイントメントも入れるけれど、木曜日の夕方をやめました。それでも15件を維持できました。12ヵ月後MDRTのアニュアル・ミーティングに参加した際に、「水曜日もなくします。水曜日の夕方のアポイントはやめます。月曜日と火曜日の夕方はまだ続けますが、15件のアポイントを維持するつもりです」とある仲間に話しました。

再び1年後、火曜日の夕方もやめ、その1年後には月曜日の夕方もやめました。4年かけて、夕方のアポイントを全部やめました。何が可能かということを実証したところが面白いでしょう。見込客やクライアントが日中に会いたくないとおっしゃるなら、クライアントになっていただかなくても結構ですと決めました。たったお一人例外がありました。その方は本当に人柄の良い方ですが、日中トラックを運転する仕事をしているため、いつもお会いするのが夜でした。それにいつも知り合いをご紹介いただいたことも考慮して、この方お一人は例外にしようと決めました。今でもこの方が希望されれば、夜でも伺います。

こうして2、3年が過ぎ、私も寄る年波には勝てず疲れることが多くなったので、ある日思い切って次のように聞いてみました。「Jeff、毎年の保障内容のみなおし見直しをする時期がきました。一つお願いがあります。私は朝早くから仕事を始めるので夕方以降は仕事の能率が上がりません。午後3時か4時にご帰宅いただいて、早めの時間にお会いできないでしょうか」すると、「もちろんだ。Tonyはどうしていつも夕方以降に来たがるのか不思議に思っていました」とおっしゃいました。

Forte: 夕方以降のアポイントをなくすのは私も同じく簡単でした。相手に聞いてみて初めて分かることがあります。クライアントの返答に驚かれるでしょう。これも認識と現実の違いです。我々は誰も実際に見た事のないセールス・マニュアルの教えに影響され、一緒に仕事をした先輩方もその教えを守り、長い間同じ方法を教わって来ました。今でもアポイントを夕方にする、紹介をお願いするといった教えが続いています。我々は羊の群れのように従い歩いているのです。

Gordon: クライアントに会う場所についても同じ事が言えます。「会社かご自宅に伺いましょうか。それとも私のオフィスにお越しになりますか」とクライアントに選択肢を与えると「あなたのオフィスに行きましょう」と答えるクライアントが50%から60%います。ですから、これまでの仕事のやり方に固執しない方が良いでしょう。自分自身のやり方を新たに構築すればいいのです。

さて、断られる事について。我々はないでしょう(笑)。しかし断られる方もいます。ですから、断られた時のことについて話しましょう。

Forte: もう一度、我々のビジネスの特徴を見てみましょう。私が長い年月をかけて構築を試みてきたことの一つに断りへの対応があります。自分自身の性格やスタイルに合わせた断りへの対応方法です。私は長い間、断られるたびに戸惑いました。「保険を信用していません」と言う方もいます。これにはある面白い方法で対応できます。皆さんとその方法を共有したいので、後からこの話をします。

「お金がありません」や「考えさせてください」とお断りされることが皆さんも数え切れないほど何度もあったと思います。私自身もそれに対応する方法を探さなければなりませんでした。そこで、私は心理学の本を何冊も読みました。私は心理学の信奉者です。人がYesやNoと答える理由が理解できれば、断りの対応に3分の2成功したようなものです。

私の断り対応テクニックは簡単に言って3ステップで構成されています。断られる際の大きな問題は、我々は断られると反論したくなる、断られたくないと思う傾向がある点です。質問をしながらクライアントの現状を把握した時点を例に挙げます。あるクライアントは数百ドルの可処分所得がありそうだと分かりました。しかし、「資金がありません」と言います。クライアントはその数百ドルを使ってしまったかもしれませんし、お金がないと言う理由が他にあるのかもしれませんが、仮に私が「いいえ、貴方には300ドルあるはずです」と答えて相手の意見に反論したら、断りに上手に対応したことにはなりません。

そこで皆さんにお勧めしたい方法は、まず断りを受け入れることです。断りを受け入れるのは、断られて構わないと納得することではありません。ただ受け入れます。「そうですか、分かりました。何か方法を考えてみましょう」と答えます。実際のセリフとしては「お話くださってとても嬉しいです。その点についてお話しくださって非常にありがたいです」と対応しています。当然「あなたが信用できません」「あなたの会社が嫌いです」と言われて「そうおっしゃられてとても嬉しいです」と答えたら、変な人に思われるからいけません。しかし、「正直にお答えくださってありがとうございます」と言えば、相手の断りを歓迎する事になります。

第2のステップは共感力を鍛えることです。相手も自分も同じ人間だということです。「私が貴方でも同じように考えます」と言葉で共感を伝えるのがベストです。見込客は我々が同調できると思いたがります。私が同じ周波数で彼らの話の内容を理解していると思いたいのです。その事が彼らの耳には音楽のように心地良いのです。しかし3つのうち論理的な質問が最重要です。次にその質問について話します。

私自身は話を3人称に置き換えて、見込客に直接反論しない方法をとる事が多いです。先に挙げた例を使って言えば「資金がありません」という断りには「私がお会いする前は資金的余裕がなかったクライアントがおられますが、アドバイスを差し上げた結果、資金形成が出来るようになりました。その方の資産形成方法に価値があると思われますか」という風に問いかけます。感情を司る右脳的な質問ではなく、左脳的で論理的な説明として「価値がある」という言葉で質問を締めくくれば、相手の答えは「yes」のはずです。常にそうなります。常に同じ返事になり面白いので、ぜひお試しください。

さて、本当にお金の余裕がなくて断わられる際に私が対応できるか。できません。しかし、見込客の心の障壁という問題をもう少し掘り下げる必要があります。

3ステップは、1) 断りを歓迎する。2) 共感する。
3) 論理的な質問をする。論理的な質問の答えは常に「yes」になります。

Gordon: 断わるという言動を深く分析すると、人を信頼する決断は誰にとっても非常に難しいのが分かります。見知らぬ男性または女性と話をしないこと。知らない人からお菓子をもらわないこと。我々は子どもの頃からずっと教えられてきました。簡単に人を信用しないことや署名する前に内容を読むことなどもそうです。ですから人を信頼するのは非常に難しい決断です。人が「考えさせてください」や「叔父に相談してみます」と言う時は、実際叔父に相談する気はありません。考える気もありません。ただ人を信頼する決断ができないのです。

信頼関係を築くのに二つの方法があります。一つはクライアントの話をもっと時間をかけて聞くことです。売れれば良いという態度ではなく、問題を解決する姿勢を見せてください。クライアントがあなたの指摘に納得すれば、あなたが提示する解決方法に賛成するでしょう。

断られない、言い換えるとクライアントの不信という壁をなくす最良の方法は、皆さんが紹介され上手になることです。皆さんが必要数を超える紹介を得ると、そのことが信頼の証となり、見込客は警戒心をなくし断らなくなります。多くの人やSandroがこのアドバイザーを信用している、彼が太鼓判を押す人なら、私も安心して任せようと思われるのです。

断られるのは挑戦と考えています。もし誰かから「商品に興味がないので、お帰りください」と言われたら、はっきり断られたと受け取って構いません。これまで仕事をされてきて、何回くらいそう言われましたか。実際には一種の言い訳のような断りなので、それはご自分への挑戦だとお考えください。相手の真意は「私はあなたのお話をまだ充分に聞いていません。あなたを信頼できるほど充分に納得していません。私の心を動かして納得させてください。あなたとビジネスをするべき理由を知りたい」という意味です。挑戦と捉え、本当は興味がある証拠だと考えて断りを歓迎してください。

「生命保険を信じていません」と言う最もきつい断り言葉のことを私に尋ねましたね。こう言われたことのある方はおられますか。こう言われるのは私の住んでいる地域だけでしょうか。「生命保険を信じていません」と誰かに言われたら「生命保険を信じなくても結構です」と私は答えています。宗教ではないのですから。

生命保険はリスク管理にすぎません。リスクに対応不可能なクライアントの家族や事業から、対応可能な保険会社にリスクを移すだけのことです。ただそれだけのことです。クライアントには「貴方の年齢ですと、統計上100人中1人が今年中に亡くなります。保険会社は亡くなる人が貴方かどうかは気にしません。何れにせよ99人が保険料を払い続けるのですから、1%を失うだけです。しかし仮に亡くなるのが貴方なら、ご家族や経営されている会社にとって100%の損失です。生命保険はただのリスク管理です。いざという時にそのリスクを負うことのできないご家族や会社から、保険会社にそのリスクを移しましょう」

さあSandro、そろそろキャリアを変革するアイディアについて話しましょう。我々二人のキャリアを変革した出来事のことを。

Forte: 見込客との最初の面談が最重要だと考えています。多くのアドバイザーが人間関係のコントロールをクライアントに任せてしまい、取引するタイミングも相手任せにする失敗を犯します。こういう状況ではクライアントが保険料の額を決めたり、考える時間が欲しいと言ったりします。アドバイザーの裁量で関係をコントロールする最も簡単な方法は、初回面談時の最初に、皆さんから順序良く相手に言葉をかけ、アドバイザーとクライアントがお互いに対等な人間関係を築けるようにします。

私のやり方は、「今日お会い頂く理由は二つあります。ひとつ目は私達がお互いを信頼し合って、一緒に仕事ができる相手かを決めるためです」Tonyも分かってくれると思いますが、ここでのポイントは私達と言う代名詞を使うことで、決定権は見込客と同じく私にもあることを示せます。潜在意識上、対等な関係を構築することが非常に重要です。

「二つ目はいくつか知りたいことがあるからです。現時点でお手伝いできることがあるかどうか分かりませんが、いくつか教えていただきたいのです。情報をいただくにあたって一つ大事な原則があって、

それは教えていただく情報の質によって、私から差し上げるアドバイスの質が決まるということです」ここで、先方が「その情報は知らせたくありません。自分の収入をあなたに言いたくありません」と返事する可能性はなくなります。情報開示をためらわれたら「お会いしてすぐに私が申し上げたことを思い出してください。私から差し上げるアドバイスの質は貴方が私にくださる情報の質に全てかかっています」と伝えます。

言い換えれば、アドバイスの説明責任を私から見込客に移すのが大事なポイントです。「情報は知らせたくない」と言われないようにするためです。私は27年間この仕事をしていますが、クライアントからクレームが来たことは一度もないのをとても誇りにしています。私は相手の期待をコントロールし、責任と説明責任をクライアントに担ってもらう方法を採っています。

一連のプロセスの中でも、ここは非常に重要なポイントだと思います。また、見込客獲得に際しては、できるだけ個人的に紹介をお願いするべきだとも考えています。「〜様から紹介をいただいて」と会話を始めるよりも、紹介者から個人的に知り合いを紹介いただく方が好都合です。クライアントにお知り合いを紹介いただきたいとお願いすると、知り合いの名前と電話番号をいただくことが多いですが、それだと翌朝に突然その方に電話をするしか方法がなく、また私は決して電話が得意ではありません。

一方、個人的な紹介とは、紹介者が見込客にあらかじめ連絡して私のことを話してから、私が見込客に電話をかける手順を踏みます。私が電話をする頃、もしくはその方が私に電話をかけてこられる頃には私とその方の間にすでに共通の知り合いが存在しています。私はクライアントにお会いする3回目の面談時に、お知り合いの紹介をお願いするつもりですと事前に伝えています。そうしなければ、2回目の面談時、書類を書き終えたばかりのクライアントに「今度誰かを紹介してくれませんか」と突然頼むことになり驚かせてしまうでしょうし、クライアントも急に頼まれて困ってしまって、誰も紹介できないと答えるでしょう。

個人的な紹介をベースに仕事をしていること伝え、いつ頃成約できそうかを推測し、コミットメントを確立し、クライアントの関心度を推し量ること、我々にとって、これらは全て初回面談時の重要なチェックリストの項目です。おそらく私にとっては、こういうプロセスを構築して実践したことがキャリアの変革につながりました。

「アイスブレーキングをする、つまり、堅苦しい雰囲気を和らげなければいけない」と助言されたことがありますが、私はどうすればいいのか分かりませんでした。ゴルフクラブのセットをお持ちですかとか、芝の状態が良いですねなどという会話は雑音にすぎないと思っていました。こういう退屈なおしゃべりにはあまり意味がないと。そこで私は顧客調査票を持って、質疑応答形式のように進めたとしましょう。哀れな見込客は質問に答えながら退屈しきって私の頭上を眺めながら2時間を過ごす羽目になるでしょう。人としての関係を築かなければこうなります。これでは共感を生みません。私はどうして契約をお預かりできなかったのか不思議に思ったことが何回もありました。

初回の面談のシステムを正しく構成したことが私のキャリアの変革でした。皆さんはどうですか。

Gordon: 私の場合、キャリア変革は非常に単純でした。あなたはこれが必要(ニーズ)ですと人に言うのをやめるべきだと気付いた時に変わりました。代わりに、欲しいもの(ウォンツ)は何ですかと尋ねることを始めました。人が自分のためや家族のため、経営する会社のために欲しいものを求める気持ちは、必要なものを求める気持ちよりもはるかに強い感情だと気付いたからです。

下の娘が自立して家を出た時、私は妻にこう言いました。「これほど大きな家はもう必要ないから、小さい家に住み替えたらどうだろう」すると妻は「必要(ニーズ)はないかもしれないけれど、私はここに住み続けたい(ウォンツ)わ」と答えました。それから「あなたがそうしたいならこの家から出て行ってもいいけれど、私は残るわ」と言い添えました。

なぜでしょう。欲しいものを思う時は、必要なものを思う時よりも常に心を動かされます。自慢ではありませんが、自宅には寝室が5部屋もあり、車は3台あります。しかし住んでいるのは我々夫婦2人だけです。なぜ。我々がそうしたいからです。ある人の欲しいものが何か分かれば、我々の考え方は変わります。

見込客に必要な商品を伝えると、その商品を売ることになります。しかし見込客が欲しいものが分かれば、それを買うお手伝いをして差し上げることになります。ほんの些細な違いですが、百万ドル単位で我々に収入をもたらします。ですからこれが私のキャリア変革をもたらしたアイディアであり、トップ・オブ・ザ・テーブルに押し上げてくれたアイディアです。

「見込客が欲しいものがどうやって分かったのですか。知るのは難しいですか」と疑問に思うかもしれません。難しくありません。簡単な質問をするだけです。「Sandro、もう仕事の一線から退きたいと思われた時に、どれくらいの収入が欲しいですか。貴方がもし命に関わる病気と診断されて働けなくなったら、ご家族にどれくらいの収入が欲しいですか。もし貴方が早逝されるようなことになれば、ご家族にどれくらいの資金を残したいですか」金額が分かれば、欲しい収入を生み出すのに必要な保障額を計算するのは容易いことです。こんな本当に簡単なことがビジネスを生みます。

例を一つ挙げましょう。数年前にトップ・オブ・ザ・テーブル資格を初めて達成したイギリスの若い男性がいました。彼と面識はなかったのですが、TOTミーティングで話しかけました。「おめでとう。何か以前とやり方を変えましたか」と私が聞くと、彼は「貴方のアドバイスを取り入れました」と答えました。「でも会ったことはないはずだけど」と私が言うと「ええ、でも貴方が講演で見込客にはこれが必要ですと言うのはやめて、欲しいものは何ですかと聞くようにとおっしゃったのを、私は会場の後ろの方で聞いていました。変えたのはそこだけですが、成績は2倍に伸びました」ですから、皆さんも見込客にニーズを語るのはやめ、欲しいもの(ウォンツ)を聞いてください。

Forte: 良い指摘です。それではTonyはどうやってクライアントを獲得していますか。

Gordon: そうですね、皆さんがアポイントを取るのに電話をしたければそうしてください。しかし、アポ取りの電話をしなければならないのは、あなたが紹介をお願いしなかったことへの神様の罰です。効果的な紹介はどのようなものかを説明します。

48年前私が新人の頃、上司から空白の多い一枚の紙を渡され「50人の名前を書いてください」と言われました。私は当時引越ししたばかりでした。知り合いは二人しかいませんでした。その二人の名前を書きましたが、どちらからも契約はもらえませんでした。「どうすればいいですか」と私が上司に尋ねると「電話をかけてアポ取りをしなさい」と言われました。「どうするのですか」と聞くとやり方を教えてくれました。

しかし同時に「初年度100人のクライアントを獲得するのが君の仕事だ」と言われました。クライアントが100人になった際に、私はどうやってクライアントを獲得したのかを振り返りました。アポ取りの電話を数千回していました。100人中16人は電話でアポをお願いした成果でしたが、84人はその際に知り合いの紹介をお願いしたことから獲得したクライアントでした。獲得できた理由は何か。それは先述の信頼関係を築く質問のおかげでした。ですから私の場合、新規クライアントは紹介から獲得します。

簡単に紹介をいただけるアイディアをお話ししましょう。クライアントに「私のことは秘密にしないで周りにお話しください」と言ってみてはいかがですか。クライアント全員に「私のことを秘密にしないでください」と言い、知り合いを紹介いただいたことのないクライアントには電話して「お会いしてお聞きしたいことがあります」と言いましょう。そして、お茶とお菓子をご馳走してこう言いましょう。「なぜ私のことを秘密にしておられるのですか」相手は「どういう意味ですか」と聞くでしょう。そこで「私は個人的に紹介頂いたクライアントとしか仕事をしません。知り合いを紹介して頂いていないクライアントは貴方だけです。ですから、なぜ私のことを秘密にしておられるのかお聞きしたいと思いまして」と言います。そのクライアントは「いや、それは考えたことがありませんでした」と答えるでしょう。多分私が紹介をお願いするのを忘れていたのでしょう。ですから、これが一つのアイディアです。

もう一つ、アイディアをお話しします。お住まいの国でLinkedInが使われているなら登録し、クライアントにも登録するよう勧めてください。すると素晴らしいことにクライアントと繋がりのある人物を見られます。その中から皆さんがアプローチしたい方を2-3名選びます。次回クライアントに会った際に、「貴方がLinkedInで繋がる方々のお名前を拝見しました。偶然ですがそのうち3名は私から連絡しようと思っていた方々でした。この方々のことを教えてくださいませんか。当然ですが今から我々の話す内容は守秘します。私が貴方と知り合いで仕事をしたことがあると伝えても構いませんか」と言います。こうすると紹介を依頼しないでも、結果的に紹介をいただいたのと同じです。Sandroはどうやってクライアントを獲得していますか。

Forte: 貴方の方法は良いと思います。長年の間に気がついたのですが、駆け出しの頃は予定表がアポイントで埋まって満足したこともあれば、3、4週間後にはアポイントの予定が全くないこともありました。今思えば紹介をお願いするのを忘れていたからです。

紹介の依頼方法としてトレーナーから教わった方法やトレーニング・マニュアルで学んだ方法は似たようなものでした。しかし、現実的にみて、契約をお預かりする段になって知り合いを紹介して欲しいとお願いするのは完全に間違っていると思います。特にその段階になって初めてお願いするのはいけません。「紹介できる人は思いつきません」と言われる事が多いはずです。そうすると「どのみち紹介などもらえないのだから聞くだけ無駄だ」という非常に強い誘惑にかられ、破滅の道を進む事になります。私も駆け出しの頃にそういう誘惑にかられました。

科学的な見地から見ると、私はクライアントに初めて会う際に、「トリガー」と心理学で呼ぶものを活用しています。初回の面談時のファクト・ファインドの際に取りかかります。どんなタイミングでも可能ですが、私は腕時計を使っています。カフリンクや女性の場合はイヤリングやペンダントでもいいでしょう。何であるかは重要ではありません。私がするのは非常にかすかな動作だけです。腕時計のベルトを緩め、手首をすばやくさすり、見込客の潜在意識に対して4つの重要な指令を出します。

簡単に説明します。私は専門家のビジネス慣行として、常に繰り返すプロセスです。個人的に紹介をいただくことです。クライアントに知り合い方の名前と電話番号を聞くタイミングで、自然な形でその方から直接連絡を取っていただき、私のことを話していただいています。私のお客様は非常に多くのお知り合いを紹介してくださいます。ここで「非常に多く」という言葉を使った理由は、世間の人にとって「非常に多く」は二人以上を指すことが多いからです。「お願いすると一人か二人のお知り合いを紹介いただいている」というと、実際に一人か二人になってしまいます。

私は人と違っていたいのです。ファクトファインド用紙をちょっと膝に置いて、かすかな動作で相手の気を引きながら4つの指令を出しているだけです。何をしているのだろうとクライアントの注意が私の動作に引きつけられます。そこで潜在意識に訴える言葉をクライアントの心に刻むことができます。1週間ほど後に再会するまでクライアントは無意識のうちに初回の面談時に私が出した指令について考えます。

2回目の面談では再びトリガーに触れます。私はただ腕時計に手を触れ、言葉を繰り返します。個人的な紹介で仕事をするビジネス慣行です。「私が貴方の為に設計しているファイナンシャル・プランニングを担当させていただけそうなお知り合いをご存知ありませんか」こう聞くといつでも、少なくとも二人のお名前と電話番号を頂戴することができます。本当に手順は単純です。多少練習が要りますが、本当によくできた手順です。

Gordon: これまで成約した中で最大のものを教えてください。

Forte: 一年前イングランド北東部にお住いの非常に裕福なご夫婦からお預かりした契約で、事業売却後相当な金額の資産をお持ちでした。ご夫婦は保守的な方々で、小さな町にお住まいです。ご夫婦にはこれまで多くのアドバイザーがアプローチしており、皆優秀なアドバイザーだったそうで、彼らは知識も豊富で大企業に勤めていたそうです。しかし、このご夫婦にアプローチしたアドバイザー全員に共通する問題は、「あなた方にはこれが必要です、あれが必要です」とばかり言う事でした。クライアントが欲しいものは何か、どうして欲しいのかと尋ねたアドバイザーはいなかったそうです。

ですから私は書類を書いたり、情報を聞いたりする前に「お客様は何がどうしたいとお望みなのか教えてください」と尋ねました。そうすると相手の態度が完全に変わりました。ご夫婦はKoop Bankの誰々さんやBarclays Wealthの誰々さんに会ったが、全く心を動かされなかったとおっしゃいました。昨年頂いたこの一件の契約だけで私はトップ・オブ・ザ・テーブルの資格を得ました。「お客様のお望みを教えてください」と尋ねただけです。

アドバイザーの技量は関係ありません。シンプルな質問をしただけです。商品や価格、また私の経験は関係ありません。才能もあまり関係ないことが多いです。私は実のところ才能に欠けるところが多々あります。皆さんがクライアントを第一に考え、思いやっていることをお知らせするだけで良いこともあります。

Gordon: クライアントが欲しいと望まれるものを尋ねたのですか。

Forte: そうです。Tonyはどうですか。たくさんアイディアをお持ちでしょうね。

Gordon: そうですね、変な話、私はいつでも数字が大事でした。毎月20件から25件契約をお預かりするつもりで、毎週15人の見込客と会っています。そう、中にはなかなか大きな成約もありますし、小さいものもありますが、たった今君から聞いたような大きな契約はありません。

私にとって最も重要だったのは父からもらった契約でした。父が亡くなった後、母は未亡人となりました。その後、母はありがたいことに30年間生きました。母は自分の家で生活しました。最後の3年間は介護が必要になりましたが、私がここMDRTで学んだことを父の契約に活かせたおかげで介護費用に充てる資金もありました。ですから、最も私の印象に残るのは自分自身の家族の案件です。

父の葬式をはっきりと思い出せます。これまでに学んだことが腑に落ちるように実感したのが興味深いと思います。我々の仕事が本来何であるかを物語っています。葬式から自宅に戻った時に、母が私を側に呼んでこう聞きました。「貴方に二つだけ質問があるの。私はこの家に住み続けられるかしら。それから孫の誕生日とクリスマスにプレゼントを買うお金の余裕があるかしら」その後30年間、母は自宅に住み、毎年孫とひ孫にプレゼントを買いました。

MDRTの重要性について話しましょう。

Forte: 我々は違う経験を積んだはずです。私個人は先述の通り、基金を支援しています。土曜日にはプロジェクトに関わり、ボランティアでもいいから基金に参加するように常に周りに声をかけてきたことを、とても幸せに思っています。気前よく寄付するのは誰にでもできることではないのは理解しています。しかし、ご自分の時間を寄付するだけで大きな変化が生まれることもあります。

MDRTの魅力であり道徳的に優れたところは、私に地に足をつけて生活する大切さを自覚させてくれる組織だということです。聴衆の皆さんの中には私の知人がおり、多くが前の方に着席されていますが、あなた方は私の最高のメンターです。この組織に入会した頃、私は陶器の店に入った雄牛のように場違いで、若く、熱狂的だったと言っても過言ではありませんでした。皆さんに愛され、気にかけていただき「もう少し違うやり方で仕事をしてみたらどうだろう」とアドバイスしていただきました。

私はMDRTで地に足をつけて落ち着いた生活を送るホールパーソンの考えを学んで大きな影響を受けました。昨日メイン・プラットフォームの講演でお聞きになったように、自分を偽らず自分らしく生きてください。地に足をつけて生活するのは時に難しくもあります。人生全体を考えた時に、成功を収められ非常に忙しい日々を送られる中で、そうあり続けるのはとても難しい。落ち着きを失い、ご自分にとって本当に大事なものを見失いがちです。

一言で言うとMDRTのおかげで私は良き人間でいられます。

Gordon: 私も君の言う通りだと思います。アニュアル・ミーティングに来るのが楽しみなのは、自分が人生の48年間をかけてしてきた仕事を意識させてくれるからです。誇りに思える仕事です。我々の仕事は良い行いです。最近、48歳の既婚者で10代のお子さんがいる男性の保険金をお届けしました。周りの人に愛された男性で、お葬式には400人が参列しました。400人がお悔やみを言いに来ましたが、お金を届けることが出来たのはただ一人。この私です。

MDRTのアニュアル・ミーティングの参加後、業績が下がった方はいません。

君がMDRTで学んだ最大の教訓は何ですか。

Forte: これは簡単な質問です。MDRTで学んだ最大の教訓は、この仕事で成功するのは容易ではないということ。ここにおられる皆さんも同意いただけると思います。20年間を会員として過ごして来て学んだことは、意外と単純なやり方で成功するという事です。簡単ではありませんが、方法はシンプルです。時の試練に耐える基本的なアイディアを実践してください。ここにおられる皆さんは多くの成功者が活用したのと多かれ少なかれ同じアイディアを活用して成功しました。アイディアを取り入れて実践すれば、成功するのは本当にシンプルです。そういう事を私は学びました。Tonyはどうですか。

Gordon: 私は自分を信じる事を学びました。MDRT会員の資格を得るのに8年もかかったと言いました。やっと会員になれた日、帰宅して二人の娘の世話で忙しそうな妻にこう言いました。「ダーリン、MDRT入会の資格が取れたよ」妻は「ああ、そうなの」と答えました。私は「ダーリン、僕はアニュアル・ミーティングに行けることになった」と言うと、妻は「ああ、そうなの」と答えました。その年のアニュアル・ミーティングの開催地はハワイでした。40年前のイギリスでは、ハワイは旅行パンフレットに載っていませんでした。それで私が「ダーリン、僕はハワイに行くよ」と言うと、彼女は「ええ、私達はハワイに行くのよ」と答えました。我々は幼い二人の娘を連れてハワイに行きました。行くのに27時間かかり、前年の収入の2割が旅費に消えました。

アニュアル・ミーティングに参加するのに費用は重要ではありません。ミーティングへの参加はキャリアへの投資です。初参加のアニュアル・ミーティングで、私はある男性に出会いました。先ほど申し上げた事を思い出してください。私は世界最高のこのクラブに入りたかったと申し上げました。

やがて、このクラブの中にトップ・オブ・ザ・テーブルという特別なグループがあることを知りました。当時はまだコート・オブ・ザ・テーブルはありませんでした。コンベンション・センターに向かうバスの車内で、白いリボンをつけている男性がいました。リボンには「トップ・オブ・ザ・テーブル」と印刷されていました。「それは何ですか」と私が尋ねると彼は説明してくれました。成績要件を聞いて「私にはとてもできそうにありません」と言いました。その時、彼が私に言った言葉は、今でも一字一句はっきりと覚えています。「達成できると信じる勇気を持てるなら、このビジネスで成し遂げたいことは何でも成し遂げられます」

MDRTに入るまで8年かかりました。帰国後、目標を書いた紙を全部破りました。やらないよりはやってみて失敗に終わる方がマシです。MDRT会員の方はコート・オブ・ザ・テーブル資格を達成するという、より大きな目標を掲げるのを恐れないでください。3回続けて取りたかったが、2回しか達成できなかったですって。ほら、それでも失敗ではなく成功です。

私は目標を全部破って、新たにトップ・オブ・ザ・テーブルを達成する目標を立てました。それから毎年同じ目標を立てています。あの時、バスで出会った男性が本日、ここに来場されています。貴方に心から感謝しています。

もし娘や息子がこの仕事を始めたいと言ったら、どういう言葉をかけてやるか一言で簡単に教えてください。

Forte: 言葉は二つだけ。皆さん、メモしてください。自律と後悔です。どちらが痛そうか、皆さんにお尋ねします。実はどちらも痛みを伴います。しかし、一つ目の自律がなければ、二つ目の後悔は必ずついて来ます。プライベートでもビジネスでもこれは真実です。自律がなければ、人生のある地点で必ず後悔するでしょう。皆さんの人生も同じです。過去を悔やんで『たられば』や愚痴をこぼしても時間は戻りません。毎日の生活に自律を取り入れて、成功する最良の機会とチャンスをご自分に与えてください。

Gordon: この仕事を始めようとする若者に伝えたいのは、すぐには金持ちになれないということです。ゆっくりと豊かになることはできます。すぐに金持ちになれるビジネスであれば、百万長者が列をなして生命保険を販売したがるでしょう。しかし今日ご来場の方の中には、自律を持って懸命に働いて百万長者になった方々がいます。

若い人は、ヴィジョンを持ってください。人生で何を達成したいのか考えて答えを出してください。目標を細分化してください。毎日するべきことが分かったら、実行してください。

面白い質問をします。今日か明日の終わりには皆さん帰国します。ミーティングに参加しなかった人からこう聞かれるでしょう。「大会はどうでしたか。良い出会いがありましたか」こう聞かれたら、新しい出会いもあったし、良い友人にも再会できたし、二人合わせて60年近くトップ・オブ・ザ・テーブルを継続している人達の話も聞いたと伝えてください。そうしたら「すごい!!その人達からどんなメッセージを聞きましたか」と言われるはずです。さて、Sandroなら、何と言うでしょうか。

Forte: そうですね。実は今日の対談で私はすごく勇気をもらいました。ですから、メッセージはシンプルです。彼にできるなら…

Gordon: 彼にできるなら…

Forte and Gordon: 我々にできるなら、皆さんにもできます。

Alessandro M. Forte, Dip PFS, は19回のトップ・オブ・ザ・テーブルを含め、19年間会員。MDRT基金のエクスカリバーの騎士。DVPを含め多くのMDRT委員会で活躍してきた。家族の為に尽くす時間以外は、多くのMDRT会員のメンターとして後輩を指導すると共に、チャリティの為に多額の募金を募る活動に尽力している。2000年にメイン・プラットフォームで講演をして以来、世界各国で講演の依頼に応じ、講師としても活躍している。著書の"Dare to be Different,"は7ヵ国語に翻訳されている。自身の主催する2日プログラムの"Success Masterclass"の参加者は5大陸で総勢25万人以上となる。

Tony Gordon, は39回のトップ・オブ・ザ・テーブル資格を含め40年間MDRT会員。本拠地はイギリスのBristol。金融サービス業界の世界では有名人。2001年度に北米以外から初めてMDRT会長に就任。TOT会長も歴任した数少ないひとり。著書の "It Can Only Get Better"は世界中でベストセラーとなり、50ヵ国以上で講演をすることとなった。また、MDRTの発行した"The Greatest Insurance Stories Ever Told世界有数の保険の話"にも登場した。現在は保険の営業からはリタイアし、後輩のメンタリング、講演、事業経営と共に、5人の孫を甘やかすことに尽力している。

 

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